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活動報告トピック

  ドクターヘリ導入研究
 
−大阪府知事が府議会で前向き答弁−

  大阪府が、秒を争う患者の救命に多大の効果を発揮する「ドクターヘリの導入に向けて積極的に取り組む態勢に一歩踏み込んできた。

この機運に火を付けたのは、大阪府議会公明会派の光澤 忍議員。たまたま今秋、NPO救急ヘリ病院ネットワークの國松孝次理事長(あのオーム事件の際、狙撃され辛くも一命を取りとめた國松警察庁長官)と会い、大阪での「ドクターヘリの導入」を直に要請されたのがキッカケだった。( 11 月 4 日の本欄に掲載)

その上、大阪府の副知事を辞めて転進した和歌山県の木村よしき 知事が、就任直後に関西圏で初めて「ドクターヘリ」を導入し、 2003 年の1年間だけで 235 回も飛び、 200 余の人命を助ける抜群の働きをしたことへの驚きも、この取り組みを加速させた。

このため光澤議員は、18年度の予算編成に関する要望書の中に、「ドクターヘリの導入」の予算要望を盛り込むよう会派内に働きかけ、会派から太田房江知事に同要望書を提出している。

と同時に同僚の三浦寿子議員と協議して、 12 月議会の一般質問で知事姿勢を質すことになり、本会議最終日の13日、三浦議員が太田知事に問い質したのである。

まず同議員は、「現場へ真っ先に駆けつけ、患者を医療機関に搬送する間、医師がその場で救命医療を開始できる「空飛ぶ ER( 救命救急室 ) 」として、ドクターヘリの拡大が迫られている」としたうえで、「大量出血した重症患者の救命救急は時間との戦いであり、起こりうる災害や都市部での大事故など、迅速な現場臨場と患者の素早い搬送、救命率の向上と予後の改善を図るためにも、ドクターヘリの配備は不可欠だ」と指摘した。
また、「ヘリの運行費用がかかりすぎるとの意見もあるようだが、他府県や市町村との共同運用など工夫の余地はある筈だとし、「ドクターヘリ」の導入について、大阪府においても学識経験者などによる検討会を設置するなど、導入に向けた取り組みを推進すべきではないか」と質した。

  これに対して太田知事は、こう答えた。
「大阪府では、急病や交通事故等による救急患者に対して、救急車や医師が同乗する「ドクターカー」などにより迅速な搬送を行い、救命救急センターや救急病院等で患者を受け入れる体制を整備している」とした上で、
「ドクターヘリが、救急現場から直ちに救命医療を開始でき、救命率の向上が期待できるものだとの認識に立ち、今後、大阪のような大都市で、救急車や医師が同乗するドクターカー等と比較し、救急患者の発生から治療までの時間がどれくらい短縮できるのか、また、ヘリの常駐場所・着陸場所の確保の問題、消防機関や医療機関との連絡体制、近隣府県との連携などについて、関係者の意見を聞きながら議論し、研究していきたい」
太田知事はこのように述べ、三浦議員と共通の認識を示しながら、「ドクターヘリ」の導入に向けて積極的な取り組みをしたい前向きな考えを明らかにした。

  このように大阪府では「ドクターヘリの導入」に向けて一歩踏み出したことになるが、一方で過密都市での救急救命には金と場所を要しないドクターカーが有効という神話はまだ府庁内では定着したまま。

こうした問題を解きほぐしながら導入に期待をかける多くの府民の要望にどう応えていくか、これが光澤議員と三浦議員の今後の挑戦になりそうだ。