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三浦とし子議会報告
平成28年3月11日 定例会環境農林水産常任委員会
大阪府議会議事録より転載



○議長 次に、三浦寿子委員を指名いたします。三浦委員。



◆(三浦寿子君) おはようございます。公明党の三浦寿子でございます。  私は四点にわたって質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。  今、原田委員からございました。私も都市緑化についてお伺いしたいと思います。  森林環境税による取り組みは森林保全対策に絞り、大阪でのヒートアイランド現象などは、やはり大きな課題とされていた都市緑化についてはその対象から外され、自主財源で実施することとされました。来年度の都市緑化の推進に関する取り組みは、既存の施策に加えて、新規事業として、実感できるみどりづくり事業とクールスポットモデル拠点推進事業が示されていますが、その予算額は緊急の対策とされながら両方合わせて約四千万円であり、森林環境税で想定していた事業規模と比較するととても少ないと思います。  今回、大阪府の財政状況が本当に厳しい中で限界はあると思うんですが、前回も委員会で言いましたように、それならば財源を税金に求めるだけではなく、民間の知恵、また活力、こういったものを生かした公民連携や寄附など、こういった工夫を凝らした取り組みを進めていくことが大変重要だと思います。  そこで、まず、来年度の公民連携の取り組みについてお伺いいたします。

◎みどり企画課長(小野英利君) 来年度の公民連携については、まず、ネーミングライツ方式によるみどりの拠点整備として、藤棚など、緑陰形成につながる新たな施設の整備に向け、地元関係者と協議しているところでございます。また、市街地中心部での緑化活動の展開としまして、多くの府民や観光客が訪れる大阪市内中心部の大規模商業施設等で企業等の主体的な取り組みによるみどり施設の整備に向けまして、さまざまな企画提案を行っているところでございます。  例えば、若者が多く集まる施設では、エントランス部にボリュームのある緑化空間を整備し、これにあわせまして、地元の商店街等と連携した周辺地域での緑化活動を展開することについて協議を進めているところでございます。また、主要ターミナル周辺では、施設を管理する企業と緑化活動のフィールドを探しています民間をマッチングさせまして、施設の屋上にブドウなどを使った緑化拠点を整備することとしておりまして、さらに、この拠点をモデルとして周辺の民間ビルの屋上にも緑化を広げる活動を実施すべく協議を進めてまいります。

◆(三浦寿子君) 公民連携が大変重要ではないかと思っています。公民連携デスクというものが設けられまして、私も、意外と地域の企業などで、CSRというか、そういった社会貢献をしたいということで、幾つか連携デスクにつながせていただきましたところ、本当にいい事業が展開されています。この緑化に関しましても、こういった公民連携デスクなどと御相談されながら、ぜひ進めていっていただきたいと思います。  そしてまた、こういった公民連携以外にも、財源確保に向けて、前回も言いましたが、個人や民間からの寄附をふやすような取り組みとともに、みどりの基金の活用も重要と考えます。みどりの基金への個人の寄附の状況は現在どのようになっているのでしょうか。

◎みどり企画課長(小野英利君) 平成二十七年度のみどり基金の寄附につきましては、一月末現在で三十四件、寄附額は約一千七十万円となっておりまして、そのうち個人からの寄附につきましては二件、寄附額は二万五千円になっております。個人からの寄附につきまして過去五カ年で見ますと、平成二十二年度は十六件で九十七万円、二十三年度は十四件で百六十一万円、二十四年度は九件で五百三十六万円、二十五年度は十二件で百四十六万円、二十六年度は三件で四万五千円となっています。  なお、二十二年度から二十五年度の金額が大変大きくなっておりますのは、特定の方から多額の御寄附をいただいたものでありまして、個人からの寄附につきましては年度ごとで大きなばらつきがあるところでございます。

◆(三浦寿子君) 今お伺いいたしましたが、個人からの寄附は現状では大変厳しい状況ではないかなというふうに思っております。府民のみどりへの関心を高め、寄附の裾野を広げるためには、個人からの寄附は大変重要です。これも前回言いましたように、例えばクラウドファンディングのような個人のお金を幅広く募る新たな取り組みも出てきており、工夫の余地は大きいと思います。ぜひ、こういった取り組み、積極的に対応していただいて、このみどり、都市緑化を進めていただきたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  次に、森林環境税の使い道の見える化についてお伺いします。  さきの九月議会の本委員会において、森林環境税創設の必要性や森林環境税がどのような事業に活用されたのか見える化して、府民に対してしっかり説明し、広報していくことをお願いいたしました。  森林環境税の創設については、府政だより、ホームページ、ポスター、チラシなどの府の広報媒体に加え、府内の全市町村の広報紙への掲載など、一定の取り組みが行われております。四月以降はいよいよ本格的に事業を実施することになり、広報活動も次の段階に入ることになります。今後は、森林環境税の仕組みだけではなく、森林環境税の使い道がどのようになっているのかということを府民にしっかりと見える化していくことが求められると思います。  この見える化の一環として、森林環境税の収入額、また執行額等の公表のほか、学識経験者等で構成する大阪府森林環境整備事業評価審議会を設置し、今後、事業評価の実施を予定しておられますが、具体的な事業評価の仕組み等についてお尋ねいたします。

◎みどり企画課長(小野英利君) 大阪府森林環境整備事業評価審議会につきましては、大阪府附属機関条例に基づき、その担任事務は、森林環境税を財源とする森林保全対策の事業評価についての調査審議に関することとしています。具体的には、事業実施の翌年度に、前年度の事業実績やその効果等を踏まえ、まず府におきまして自己評価を行いまして、その内容について審議会としての評価をいただきます。評価結果につきましては、翌年度以降の事業に反映し、PDCAサイクルにより、事業をより効果的に進めることができるよう取り組んでまいります。  森林環境税の使い道や評価結果については、ホームページ上に見える化するとともに、府民向け報告会でしっかりと説明してまいります。

◆(三浦寿子君) 府民に説明し、理解を得ることが重要でありますが、そういった点もしっかり取り組んでいただきたいと思います。  また、今、課長から説明いただきましたが、府民向けの報告会についてはどのように実施されるのか、お聞かせください。

◎みどり企画課長(小野英利君) 府民向けの報告会につきましては、事業実績やその効果に加え、事業評価結果についても報告することとし、アンケートの実施や参加者からの意見を直接お伺いするということで考えております。  実施につきましては、北部、中部、南河内、泉州の四つの農と緑の総合事務所の管内と大阪市内で計五回程度を予定しております。初回は平成二十八年度の事業実施後の平成二十九年七月ごろを予定しており、日時等の詳細が決定しますれば、できるだけ多くの府民に参加していただけるよう、報道提供や各市町村を通じて広く府民に周知してまいります。

◆(三浦寿子君) 今お伺いいたしましたが、府民への直接の説明、計五回程度ということでありますが、しかし、府内で五回程度、四つの農と緑の総合事務所の管内ということで、なかなか府民に行き渡るかなという気もいたします、これだけでは。そういった点からも、ぜひ、広く府民に周知するためにも、あらゆるイベント、環境農林水産部で実施するイベント、また関連企業との協力なんかも含めて、イベントでチラシを配って報告するとか、そういうより多くの府民に周知できるような工夫をお願いしておきたいと思いますので、よろしくお願いします。  続きまして、生物多様性の府民理解の促進についてお伺いします。  生物多様性については、自然との共生による持続可能な社会の実現に向け、極めて重要な課題であり、一人一人がしっかりと理解して取り組んでいくべきテーマであります。  先日、新聞に、豊中市におけるヒメボタルの保全の取り組みが紹介されておりました。私の地元吹田市でも、市街地でありながらヒメボタルが身近に生息しており、市民団体の方々が保全活動を以前から行っておられます。都市緑化が進んだ大阪において、市街地に残された貴重な緑地の中でこうした取り組みが展開されていることは、生物多様性を府民に身近に感じてもらうための大変よい材料と考えます。しかし、取り組みに参加する府民は限られており、生物多様性の重要性の理解を深めるためには、こうした活動を広げていくことが大変大切だと思います。  大阪府では、平成二十三年三月に策定した新環境総合計画を生物多様性地域戦略と位置づけ、その中で、生物多様性の府民理解の促進を主な施策として打ち出されていますが、まだまだ府民に浸透されていないと思います。そこでまず、策定後、普及啓発に向けて、これまでどのような取り組みをされてきたのか、お伺いいたします。

◎みどり企画課長(小野英利君) 生物多様性の府民理解の促進に向けた取り組みについてお答えいたします。  まず、平成二十四年三月に、生物多様性に関する府民への情報発信、普及啓発を目的に、大学や博物館など、生物多様性の知見を有する団体と府、大阪市、堺市などの行政によります大阪生物多様性保全ネットワークを構築いたしました。そして、このネットワークを活用しまして、保護という点において重要な野生生物を選定したレッドリストの改訂を行い、府内でも多くの野生生物が絶滅の危機に瀕していることを府民に周知いたしました。このレッドリストでは、和泉葛城山や淀川ワンド群など、種の多様性が高い地域を生物多様性ホットスポットとして選定しておりまして、今年度はこのホットスポットをわかりやすく伝えるガイドブックを作成したところでございます。  また、平成二十五年度には、企業の生物多様性保全の取り組みを推進するため、大阪生物多様性パートナー協定制度を創設いたしました。これは、自社敷地内においてビオトープを整備するなど、生物多様性に取り組む企業を大阪府、大学、研究機関が連携して支援するものでございまして、今年度末には五社目となる企業と新たに協定を締結する予定としております。  さらに、平成二十六年度には、生物多様性への理解を広げるため、企業のCSR担当者や小学校での環境学習を行う教員などに向けた生物多様性に関する研修教材を作成しまして、経済団体の研修会や教育委員会を通じて学校等へPRしたほか、ホームページにも掲載して広報いたしました。この研修教材につきましては、今年度、実際に小学校の環境学習において実践活用いたしまして、その結果を踏まえましてさらに内容を充実したところで、来年度以降はより一層活用いただけますよう広報に努めてまいります。

◆(三浦寿子君) 企業とのパートナー協定というのは本当に大事だと思いますので、これは、企業戦略というのも基本法には求められてたと思いますが、これからもこういった働きかけを積極的にお願いしたいと思います。  しかしながら、生物多様性に関心のない府民の皆さんに対して理解の裾野を広げるためには、まだまだ今の内容では不十分ではないかと思います。そうした中、府が示す来年度予算を見ると、少しの額ではありますが、生物多様性に関連した施設との連携した普及啓発を行うこととしておりますが、これはどういったものなのでしょうか。

◎みどり企画課長(小野英利君) 府内には自然体験施設でありますとか資料館などがたくさんありまして、それぞれの施設の特徴を生かした生物多様性に関連した普及啓発を実施しています。ただ、その内容は、個々の施設が対象としますテーマに限定されているのが現状でございます。その一方で、大阪市内の海遊館でありますとか天王寺動物園には生き物との触れ合いを楽しむことを目的に多くの府民が集まりますけども、これらの施設も生物多様性の普及啓発拠点と考えますと、まだまだ十分に連携できておりません。  そこで、来年度は、府内にありますこうした生物多様性関連施設をつなげまして、それぞれが開催する講座や行事などの情報を一元化したリーフレットを作成するなど、府民の理解促進に向けた効果的な普及啓発を展開してまいります。

◆(三浦寿子君) 実際に多くの人が集まる施設に着目した啓発の取り組みは評価したいところです。しかし、対象とする施設については、できるだけ幅広く考え、効果を高めてもらいたいと思います。  例えば、私の地元の吹田市には万博記念公園があります。みどり豊かな森も含めて、レクリエーション目的で多くの府民が訪れています。こういった施設も生物多様性の普及啓発拠点にふさわしいのではないかと思いますので、ぜひ連携してもらいたいと思います。  また、一くくりに生物多様性関連施設といっても、施設ごとに魚や動物、植物などさまざまなテーマがあります。府民がこうした施設をいろいろと回って楽しみながら生物多様性について理解を深めてもらうための、例えば周遊マップ、またスタンプラリーなど、こういった仕組みづくりも必要ではないかと思いますが、その点はどうでしょうか。

◎みどり企画課長(小野英利君) 委員御指摘のとおり、府民に気軽に楽しみながら特色のあるさまざまな施設をめぐってもらい、生物多様性への理解を深めてもらうということはとても有意義であると存じます。今後、生物多様性に関連する市町村の施設はもとより、民間の施設などとも意見交換しながら、委員お示しのスタンプラリーなど、府民を呼び込む仕掛けなども検討してまいりたいと存じます。

◆(三浦寿子君) こういったスタンプラリーなど、府民理解の輪を広げるような仕組みづくりを検討してもらって、ぜひ実現していってもらいたいと思います。  ところで、府民理解の促進には府民への直接的な普及啓発活動も重要でありますが、やはり市町村にもしっかりと取り組んでもらうことが大切だと考えます。  平成二十二年、私、この委員会で、生物多様性の取り組みとして、府域の自然条件や社会条件に応じたきめ細かな地域レベルでの戦略が必要ではないかと質問させていただきました。そのとき答弁の中に、目標を達成していくためにも、大阪府として地域レベルの取り組みを進めていくことや地域の実情に応じ、きめ細かな生物多様性の取り組みが必要との御答弁でした。  冒頭、私は、豊中市や吹田市のヒメボタルの取り組みを紹介させていただきましたが、こうした取り組みは地元市町村のほうがしっかりと掌握しているのではないかと思います。  平成二十年に制定されました生物多様性基本法では、都道府県だけではなく、市町村にも生物多様性の保全に向けた施策を策定し実施する責務があるとして、努力義務ではありますが、生物多様性地域戦略の策定を求めております。府においても、府域の生物多様性を保全し、また、府民に向けた効果的な普及啓発活動を実施するために、市町村に地域の特色を踏まえた戦略を策定してもらうことは必要だと考えます。  府内では、現在、既に堺市、和泉市、岸和田市の三市が策定していると聞いておりますが、府として、こうした先行する市の取り組みをその他の市町村にも広げていくべきと考えますが、その点はいかがでしょうか。

◎みどり企画課長(小野英利君) 委員お示しのとおり、府域の生物多様性を保全し、また、府民に向けた普及啓発活動を展開する上で、地域の自然環境を踏まえた地域戦略を市町村に策定してもらうことは効果的であると存じます。そのため、来年度、レッドリストや地域に点在します生物多様性ホットスポットなどを広く紹介するセミナー等を、現在、大阪生物多様性保全ネットワークと連携して開催することとしておりまして、その中で、既に地域戦略を策定しています市町村から先進的な取り組みなどを紹介いただき、まだ策定していない市町村にも参加してもらうことで、地域戦略の策定に向けた意欲を高めてまいります。

◆(三浦寿子君) ぜひ、積極的な市町村への働きをよろしくお願いいたします。  いわゆる自然と共生による持続可能な社会をつくっていくことは、本当に今の時代にあって大変大切なことだと思います。こういった生物多様性の取り組みを進めること、また、先ほど言いました都市緑化は大変重要なことで、こういったことを推進していくことは、よりこの大阪が活力あり、そして魅力ある都市になることと思っておりますので、こういった地道な事業をしっかり続けていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  続きまして、大阪の農林水産品の販路拡大についてお伺いします。  我が会派は、かねてから府内の農林水産業の活性化や成長産業化を目指すべきと主張してきました。今般、政府による環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPの大筋合意を受け、大きな自由貿易圏が誕生します。そのメリットを最大限に生かし、アジア・太平洋地域への輸出を促進し、経済全体の活性化、地域の活性化へつなげることが求められております。  日本の農林水産物は、品質面から海外で高い評価を受けており、また、ミラノ万博が開催されたことからも和食文化というものが世界に浸透してきております。二〇一五年の農林水産物、食品の輸出額も七千億円を超え、過去最高と聞いております。大阪でとれた農林水産物やその加工品など、大阪産(もん)も品質が非常に高く、海外でも十分通用することから、守りに入ることなく攻めの姿勢で海外に展開していくことが国内での信用力の向上にもつながると考えます。  今回上程されている予算案では、平成二十八年度から香港での販路開拓を実施することが示されております。数多くの海外市場の中でなぜ香港をターゲットにされたのか、その理由をお伺いします。

◎流通対策室課長(藤岡理君) 海外市場で香港をターゲットにしました理由についてお答えを申し上げます。  委員御指摘のとおり、TPP大筋合意を受け、自由貿易圏のメリットを生かした海外への攻めの展開が重要と考えております。香港は、食料のほとんどを輸入に頼っており、食品の輸入規制が緩やかなため、日本からの食品輸出額が最も多い地域であり、大阪産(もん)の輸出先として大きな可能性がございます。  さらに、香港では、毎年八月にアジア最大級の食品の商談会、香港フードエキスポが開催されています。この商談会は、二十四カ国から一千を超える食品関係事業者が出展し、三日間で六十カ国から延べ二万人以上のバイヤーが来場します。このため、二十八年度は、香港フードエキスポに商工労働部と共同で大阪産(もん)ブースを設けることで、海外進出に意欲のある事業者を支援してまいります。

◆(三浦寿子君) 香港は輸出先として大きな可能性があると考えます。香港フードエキスポに出展するとのことですが、輸出については、鮮度の維持や輸送コストの問題など、個人事業主には課題も多く、ハードルが高いと聞いております。今回、大阪産(もん)のブースが設けられるとのことで、事業者も参加しやすくなるものと期待しております。 香港フードエキスポではどのように出展者を募集、支援するのか、お伺いします。

◎流通対策室課長(藤岡理君) 出展者の募集、支援につきましてお答えいたします。 香港フードエキスポでの大阪産(もん)ブースの出展につきましては、およそ六事業者の募集を予定しておりまして、公募により事業者を決定してまいります。 今回は初めての試みとなりますため、加工食品が輸送しやすいことから、海外展開への意欲が高い大阪産(もん)名品事業者からの応募を見込んでいます。出展者を決定しました後、出展に向けた事前説明会や商談会での効果的なPR方法についての研修などを実施する予定です。 府としましても、今回の出展で、海外でのニーズについてバイヤーから直接情報を収集することで、今後の海外販路開拓につなげてまいります。

◆(三浦寿子君) 最初に申し上げましたように、今を海外進出の好機と捉え、販路開拓に意欲的な事業者の海外進出を支援することは大変重要な施策と思います。 多くの事業者は、海外バイヤーと渡り合うのになれていないため、商談のやり方や売る力など、事業者のスキルアップが欠かせないと聞きます。フードエキスポ出展は、事業者の相談スキルの向上においてもよい機会ともなると期待しているところです。ぜひ、開催された折は、たくさんの方がそのブースに来ていただくように、いつも地味な宣伝ではなく環境農林の前のチラシも、エキスポのチラシもちょっと私は地味やなと思ったんです。ですから、派手に、目立つような形で出展していただくことを期待しております。 今回の香港フードエキスポへの出展による効果を分析し、今後の海外販路開拓戦略の検討を行い、効率的な事業実施をお願いしたいと思います。 ここまで海外への販路開拓についてお伺いしてきましたが、しかし、海外への販路開拓はこれからのチャレンジであり、安定的な販路拡大につながるにはまだまだ時間がかかると思われます。海外展開とあわせて、国内の販路拡大に取り組むことが、新たな需要の創出から生産力の向上など、好循環につながると考えますが、国内の販路拡大についてどのような取り組みをされているのか、お伺いします。

◎流通対策室課長(藤岡理君) 国内の販路拡大についてお答え申し上げます。 国内での販路拡大につきましては、昨年、東京で開催されました三つの商談会で大阪府のブースを設け、二十七の事業者の出展を支援いたしました。平均しまして六件以上の商談が行われるなど、新たな販路拡大につながりました。 また、ことし二月には、大阪産(もん)を集めました初めての商談会をマイドーム大阪で開催いたしました。商談会には、大阪産(もん)や大阪産(もん)名品、六次産業化事業者、合わせて四十四の事業者が出展し、百貨店やスーパーのバイヤー、飲食店事業者など二百三十九社、四百十六名の方に御来場いただきました。出展した事業者からは、新しい販路の獲得に加え、新商品開発に向けた連携先の発掘、商品の特徴を効果的にPRする売り場づくりや資料づくりなどを学ぶよい機会となり、これまでの方法を見直す契機となったなどの感想が多く寄せられているところでございます。 今後も、首都圏での大規模商談会における大阪産(もん)ブース出展や大阪産(もん)事業者を集めた商談会の開催などにより、意欲ある事業者の販路拡大の支援を継続してまいります。

◆(三浦寿子君) 引き続きよろしくお願いしたいと思います。 それでは、最後でございます。 まず、今回は、環境農林水産総合研究所の関連で質問をさせていただきます。 まず初めに、第一期の環境農林水産総合研究所の事業評価と運営についてお伺いします。 大阪府立環境農林水産総合研究所が独立行政法人化する前にも議会で議論されていたことがあります。私もそのときちょうどこの委員会に入っておりまして、大変、何回も議論させていただいたことがあります。そういう意味では、この総合研究所の今の状況というのが大変気になっているところでございますが、今回、この独立行政法人の運営費について改めて質問したいと思います。 自己収入が少なく、府からの運営費交付金への依存度が高い法人については、適切に人件費や事業費が交付されなければ府民サービスが低下してしまうことを懸念してまいりました。まず、第一期中期計画期間において、人件費を含めた運営費交付金は十分に措置されてきたのか、その中で、法人が適切に運営され、独法化前と比較して事業者への技術支援などの府民サービスや研究業務の質が低下していないのか、お答えいただきたいと思います。


◎環境農林水産部副理事(本屋和宏君) 第一期中期計画中の環境農林水産総合研究所(環農水研)への人件費など、法人運営に必要な標準運営費交付金につきましては、業務に必要な財源を措置し、独立行政法人移行当初の経営の安定化のため、期間中四年間を通じて金額を固定としたところでございます。また、経営努力により生じた剰余金につきましては、中期計画に沿って有効活用できるよう、環農水研が目的積立金として積み立てることとしています。 こうした枠組みのもと、第一期中期計画中、環農水研では、自立的な運営ができるといった独立行政法人のメリットを生かして、多様な雇用形態での職員採用や効率的な予算運用に努めることで、平成二十四年度から二十六年度までの三年間で約二億四千万円を目的積立金として積み立て、これを研究や技術支援に必要な機器の充実などに活用することで、府民サービスの向上に努めたところでございます。 また、毎年度、外部評価委員会から運営状況のチェックを受けており、この間、全体として年度計画及び中期計画のとおりに進捗している、地域に根差した環境や農林水産分野の専門家集団である公設試験研究機関として、事業者、行政に対する技術支援、農業大学校の運営や調査研究において質の高いさまざまな取り組みを実施し、大阪府が施策を推進する上で不可欠な存在であるとの評価を得ているところでございます。


◆(三浦寿子君) 第一期中期計画期間においては、経営努力により目的積立金を造成し、府民サービスの向上に努めてきたこと、また、業務実績全般についても中期計画どおりに進捗しているとのお答えをいただいたところですが、来年度から始まる第二期中期計画期間においても維持していけるものかちょっと心配しているところです。 さきの議会において承認された第二期中期目標に示されております環境分野と農林水産分野の融合した研究機関としての先駆的な技術開発の推進、また、製品化、商品化を意識した質の高い技術支援を通じて、事業者から頼られる存在を目指す、また、行政課題への対応力の強化、また、地域社会への貢献を強化など、四つの新たな視点に対応して、第二期中期計画が策定されているところです。 今議会で審議している予算案では、標準運営費交付金は平成二十七年度と比較して四千万円近く減額されているところです。 先ほども言いましたように、研究所は、収益性がない、そういう業務が大半で、大阪府からの交付金という限られた財源に頼らざるを得ない状況は当初から懸念されているところです。今回、そういう民間からの委託研究、さらに外部資金の確保に取り組んでいる、また、こういったことが重点化されたりコスト削減が先行されたりすると本来の研究所の役目がおろそかにならないか、ここが一番心配しているところです。本当にこれまでどおり、府民サービスに加えて戦略的な研究を実施できるのか、減額されたことでとても不安に思っております。予算案について、環境農林水産総務課長のお考えを伺います。


◎環境農林水産総務課長(馬場広由己君) 環農水研におきましては、第一期の計画期間中に、委員お示しのとおり、任期つきの研究員や契約職員の採用といった多様な雇用形態の導入など、独立行政法人のメリットを生かした効率的、効果的な業務運営に向けた検討とその実践を行ってまいりました。 これらの結果を踏まえつつ、第二期の一年目に当たります今年度、食とみどり総合技術センターと環境科学センターとの移転統合に伴う運営費の効率化なんかも織り込みまして、その上で食品加工分野の強化を初めとします第二期の中期目標の実現に必要な財源も見込んで、今回、交付金を算定したものでございます。 引き続きまして環農水研が公設試験研究機関としてその使命を果たし、中期目標に掲げました四つの視点を実現できるよう、日常の業務面も含めまして、しっかりと私たちは連携してまいりたいと思ってます。


◆(三浦寿子君) 先ほども、食とみどり総合研究センターと環境科学センターの移転統合に伴う運営費の効率化などを盛り込んでおられるということですが、それに伴ってこの運営費が削減されるというのが何かちょっと、どこら辺までこういった形で、何かほかの分まで削減されるのではないかとちょっとでも危惧するところなので、そこら辺は本当に研究所としっかり意見交換されて、今後も本当にしっかり運営ができるような体制、これを計画する中で積算を慎重にこれからもやっていっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。 任期つき研究員や契約職員の採用といった多様な雇用形態を導入したとのことですが、人材確保の観点から、雇用形態の多様化には慎重であるべきだと考えます。外部評価委員会の意見でも、任期つき職員などの活用に当たっては、不安定な雇用形態に起因して研究に支障を来さないようと述べられておるところです。こういった点についてどのような対応をされているのか、お伺いします。


◎環境農林水産総務課長(馬場広由己君) 雇用形態等の御質問についてお答えします。 環農水研におきましては、個々の業務内容に応じまして、その専門性や継続性、それから求人の困難性などを勘案して採用形態を検討しています。運営に必要な人員、人材が確保できるように、個々の業務実態とかに応じて、一律に考えることなく確保させていただいているところでございまして、今後とも研究所の業務に必要となる優秀な人材を確保できるよう、採用形態そのものをその実態に応じまして意を用いてまいりたいと思っています。


◆(三浦寿子君) よろしくお願いします。 予算と人員確保が業務運営の基礎であります。今後とも、府としてしっかりと確保し、公設試験研究機関としての使命を果たせるよう取り組んでいってもらいたいと思います。 では、その第二期中期計画の具体的な取り組みについて教えていただきたいと思います。 新たな視点として記載のある製品化、商品化を意識した質の高い技術支援とこの成果のより一層の普及拡大を通じて、農林水産業や食品産業の事業者から頼られる存在を目指すという項目について、まずは第一期ではどのような成果があったのか、特に六次産業化に関連する観点から聞かせていただきたいと思います。


◎環境農林水産総務課長(馬場広由己君) 六次産業化を中心としました第一期の成果についてお答えします。 第一期の計画期間におきましては、大阪産(もん)を活用いたしました加工品を開発する大阪産(もん)チャレンジ支援事業に取り組みました。四年間で二十八件の新商品開発を支援いたしまして、そのうち十一件が商品化され、現在、九件が商品化の準備中でございます。 泉州水なすコンフィチュールや泉州水なすを使ったお塩、それから紅たでのシロップなど、このような商品は、今年度、さきの大阪産(もん)を全国に発信するネットショップ、大阪いいもん・うまいもん市でも販売され、好評をいただいております。 平成二十七年度は、新たに、また府から環農水研が六次産業化サポートセンターを受託することで、これまでの研究所としての商品開発支援に加えまして、デザインやマーケティング、販路開拓など、事業者が商品を事業化しようとすることをワンストップで支援できるような機能充実も図ったところでございます。また、食品機能実験室の機器の充実や専門人材の配置なども行いました。結果、平成二十四年度の事業者からの相談件数は二百八十二件でございましたが、平成二十六年度には三百五十二件と増加いたしまして、一期の計画期間中に三十七件の共同研究、そして五十六件の受託研究を獲得するに至りました。

◆(三浦寿子君) 今、御答弁のあった第一期の成果を踏まえ、第二期に向けてどのようにこれらの事業からさらに発展させていく予定であるのか、聞かせてください。

◎環境農林水産総務課長(馬場広由己君) 第二期に向けましては、中期目標におきまして、製品化、商品化を意識してという視点を掲げておりますことから、今年度の六次産業化サポートセンターの実績を踏まえまして、環農水研が食品分野での事業化を支援するセンター機能を持てるように、機能充実と支援の質の向上を図りながら、内外の事業者への存在感を高めていきたいと考えております。そして、利用者を増加させ、事業化、商品化の成功例を着実に積み上げ、受託研究や共同研究の数もふやしてまいりたいと考えています。 さらに、農、水産、畜産という生産物を研究している強みを生かしまして、生産物と商品開発の両方を見据えた研究や支援など、他府県の研究所にはない環農水研ならではの特色というのを第二期でつくり出してまいりたいと考えております。

◆(三浦寿子君) 六次産業化などの第一期の成果を踏まえ、製品化、商品化を意識した質の高い技術支援が研究所の存在感の向上につながることを期待しております。 今、デザインやマーケティング、販路開拓、こういった事業化については、ぜひ今後とも、商工労働部、こういったところの関係機関との連携も深めていただいて、さらに拡大していっていただきたいと思います。 しかし、何といっても研究能力の向上には、やはり機器整備などの直接的な事業者の利便性の向上が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

◎環境農林水産総務課長(馬場広由己君) 環農水研の研究能力の向上のためには、お示しのとおり、機器の整備も重要と認識しておりまして、これまでも目的積立金を活用いたしまして機器の整備を進めてまいりました。 また、今年度は、国の地方創生の交付金を活用いたしまして、煮込み加工や蒸し加工において低温減圧調理や加圧調理などを可能とする真空加圧加熱調理器であったり、苦みや甘みやうまみ、酸味、渋みを数値化して試作した食品ごとに複雑な味を比較する、そのようなことを可能とする味覚認識装置など、事業者からのニーズの高い装置、設備を整備いたしてまいりました。 次の第二期の期間中におきましても、第一期と同様に、コスト削減だけではありませんので、経営努力をいたしまして、目的積立金の造成を図り、国制度の活用や共同研究なども進めながら、試験研究機器の整備充実に努めてまいりたいと思います。 さらには、新たな実験棟が竣工いたしますし、環境科学センターの移転もございますことから、所内が横断的にそういう機器を活用したり、また、有償によって機器開放を行うといった新しい事業者サービスなどの提供なんかも検討して、利用者ニーズにも応えてまいりたいと思っています。

◆(三浦寿子君) ぜひ、行きやすい研究所というか、使いやすい研究所ということを目指していただいて、本当に新しい事業の展開をしていただきたいと思っております。しかしながら、本来の目的でありますところは必ず確保していただくことをお願いいたします。 私は、六次産業化は府の農林水産業の振興に非常に重要であると思っております。研究所には、生産現場から商品開発、消費まで視野に入れた技術開発能力をさらに向上させ、今後も事業者への技術支援に取り組むことができるよう、また、研究成果を幅広く府民や事業者の皆さんに知ってもらうことで、さらに研究所の存在感が増し、研究所への期待が高まるよう、研究所と一緒になって連携しながら府も取り組んでいただきたいと考えているところです。 こうしたことを踏まえ、六次産業化関連を含む研究所の第二期を目指す姿や方向性について、環境農林水産部としてどのような展望をお持ちか、お聞かせいただきたいと思います。

◎環境農林水産部副理事(本屋和宏君) 環境農林水産総合研究所についての六次産業化を初めとする第二期期間の姿、展望についてでございますが、第二期中期目標におきましては、事業者、行政、地域社会に対して存在感のある研究所を今後の目指すべき方向性としてお示ししているところでございます。特に、六次産業化関連の業務につきましては、これまで主であった生産現場の支援から食品関係の商品開発支援に乗り出すことで、大阪の農林水産業全体の成長に貢献できるものになると考えております。 今後は、生産者はもちろん、大阪産(もん)の商品開発や商品加工を行う方々など、幅広く声を受けとめまして、さまざまなニーズに対応できるよう、事業者支援メニューの充実に向け、環農水研みずからの研究能力向上に努めますとともに、庁内各部局を初め、他の研究機関、関連する業界とのネットワークづくりに環農水研とともに取り組んでまいります。あわせて、大阪産(もん)チャレンジ支援事業で商品化した実績などを環農水研のホームページにわかりやすく掲載するとともに、各種展示会や環境農林水産部が実施する行事などを広く捉えて、積極的にPRしてまいりたいと考えております。 こうした取り組みを通じまして、利用者ニーズへの対応力を向上させるとともに、環農水研への注目を集め、事業者にとって存在感のある研究所、ひいては大阪府の農林水産業の振興に存在感を発揮できる研究所となるよう、一層、環農水研と連携を密にしながら取り組んでまいります。

◆(三浦寿子君) この研究所が独法化して、大きくなって、この大阪の農林水産業の発展に本当に寄与できる研究所となることを大いに期待しておりますので、今後ともぜひよろしくお願いいたします。 以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○委員長(やまのは創君) 三浦委員に確認いたします。知事質問の通告はございませんでしたが、よろしいでしょうか。

◆(三浦寿子君) はい、ありません。

○委員長(やまのは創君) それでは、知事質問の通告なしとさせていただきます。 この際、休憩いたします。午後零時七分休憩