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三浦とし子議会報告
平成24年9月 定例会教育常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) 公明党の三浦でございます。  私のほうからは、まず初めに、中央図書館国際児童文学館について伺います。
 知事もよく御存じのように、約二年前に吹田にある児童文学館が廃止されることになりまして、さまざまな論議がございました。私自身も、実は、吹田にありながら、廃止になるまで個人的には二回ぐらいしか行ったことがなかったんですが、その後、この問題が出てきまして、一応再度、地元へ足を運びまして、その資料、地下の倉庫等、案内していただいて、その内容のすごさというのをすごい感じた次第です。
 それから二年がたちまして、専門員の方の今後の対応とか、そういうことも課題でもございましたので、今回、委員会では、今後の国際児童文学館の課題とかあり方、こういうものをちょっと聞いてみたんですけれども、知事として、こういった国際的にもすばらしい資料があるこの中央図書館と一体となった国際児童文学館、どのような方向性に持っていこうと、知事のお考えをちょっときょうは聞いてみたいなと。多分知事は、財プロのときもきっと児童文学館へ行かれたと思いますし、その内容も知っておられると思いますので、今後の方向性みたいなものを知事の認識としてどのように思っておられるのかを、まず初めにお伺いしたいと思います。

◎知事(松井一郎君) 国際児童文学館の機能については、これは中央図書館のそういう資料と一体となって、大阪の子ども文化や読書活動の振興を図ることが必要と、こう思っております。
 これは中央図書館の児童文学館の部分なんですけど、もっと知ってもらうことが必要なんじゃないかなと。あの二年余り前ですね、先生も一緒になって、議会でもすごい議論になりましたけど、あのときはすごい議論になったんですけど、そこから移転をして、今何かすっと冷めてしまってると。だから、そういうすばらしい資料がある、いただいた本がある、これを子どもたちにもっと知ってもらって、もちろん御父兄にも知ってもらって、ぜひもっと活用してもらいたい、こう思っております。

◆(三浦寿子君) 知事のおっしゃるとおりで、本当に今あの議論はどこに行ったのかという、そういう思いが私もしております。移転後も数回行かせていただいて、やはりこれはしっかり訴えていかなければ、このまま児童文学館というのが、何というか、知ってる人は知ってるだけで、すそ野が伸びていかないというのをすごく危惧してたところなんです。
 一時は寄贈もすごく減ったということで聞いたんですけれども、いろいろ御協力、連携とられて、財団もまだありますので、財団と図書館が協議されて、本当にいろんな出版社に働きかけられてまた寄贈が戻ってきたということで、いろんな事業も展開されてるわけです。
 私も、そういう意味では、今知事がおっしゃったように、もっともっとすそ野を広げていくべきであると思いますし、そのためにも、委員会でもお話ししましたように、できたら図書館ネットワーク、大阪府内、市町村、吹田もたくさん立派な図書館ございますし、大阪市も中央図書館、本当にすばらしいものがありますので、そういうところのネットワークを生かしていただいて、ぜひ児童文学館の資料を展示していただいて、専門員さんも活用して、企画展等をやっていただければありがたいなと。
 そしてまた、さらに本当に国際的にもすばらしいし、国内随一の児童文学のライブラリーというか、コレクションがいっぱいあるところですから、さらに広範な専門機関や、また研究機関等、外部のネットワークも私は大変重要ではないかなと。さらに、PRを広く、そしてまた日本国内に広げていただければ、大阪の本当に重要な、広域の中の図書館としてもっと位置づけられるのではないかなって思っております。
 今回、専門員の方が中央図書館での雇用が今年度末で終了するということを伺っております。そういう意味でも、より一層こういう専門員の協力も得ながら、財団と図書館とが協力して、そういうさらなる中央図書館児童文学館、また大阪府立中央図書館というのはこういう機能を持ってるんだということを進めていくために、今後は、そういう協力関係、もっと大事やと思うし、専門員の協力もまだまだ要るのではないかと思います。
 この専門員の方というのは、本当に造詣も深いし、いろんな読書活動されてる読書支援の関係の団体の方、またいわゆる児童文学の専門の先生とか、そういうネットワークもたくさんお持ちやと思いますので、さらにそれを広げていくためには、そういう外部の方のお力もかりる必要があると思います。そういう広がりを持って、この大阪中央図書館児童文学館、これから本当にしっかり進めていっていただきたい、大きく広がって、日本の中での中央図書館の位置づけを大きくしていただきたいと思うんです。
 今後、そういう協力というのは欠かせないと思うんですけれど、財団との関係もね。そこら辺に、また専門員の方の協力も欠かせないと思うんですけど、知事のお考えを伺いたいと思います。

◎知事(松井一郎君) これは、児文館の移転後、財団と図書館は連携して事業を実施するなど、さまざまな点で、先生が今おっしゃいましたように、関係協力にあると聞いております。また、委員御指摘の財団や専門員については、教育委員会が府立図書館協議会の専門家の意見を聞いて適切に判断をしてほしいと思ってます。

◆(三浦寿子君) また後押しをよろしくお願いしたいと思います。
 続きまして、教育振興基本計画の中のことについてお伺いします。
 今回、教育振興基本計画の中間取りまとめが出ました。私は、今回、その中で幼児教育の位置づけということでお伺いしたわけですが、この振興基本計画の中で、重点的取り組みの一つとして、人間形成の基礎を担う就学前教育の充実というのを掲げていただいておりまして、一層関係部局と連携し、幼児教育の充実を図るということで、この間御答弁でもいただいたところです。
 幼児教育というのは、生涯にわたる人間形成の基礎が養われる極めて重要な時期でもあります。この時期に質の高い幼児教育を保障することが極めて重要だということで、中教審の中でもこの重要性というのが訴えられてるわけでございます。
 この間の答弁の中にありました幼児教育推進指針というのが、これ平成二十二年でしたかね、つくられておりまして、いろんな取り組みが書かれてあります。大阪府と大阪府教育委員会が一緒になってこの指針をつくられたということで、推進に当たってというところで、幼児教育の主たる担い手である市町村には、域内の幼児教育の振興を一層推進することが求められており、そのため公私立連絡協議会や関係部局及び有識者を含む幼児教育の関係者から成る審議会等の協議機関を設置しって書いてあって、そういう市町村の幼児教育のプログラム等の策定や見直しを行うなど地域の実情に応じた幼児教育推進のための具体的な取組みを行うことが重要であると。府としては、このような市町村の取組みを推進し、幼児教育の充実に努めるというふうにあったんですけれども、市町村は、いろんな関係機関がありますから、審議会をつくって、協議機関を設置し進めていくということなんですが、府としては、そういう幼児教育の関係者から成る審議会ってあるんでしょうか。
◎教育総務企画課長(見浪陽一君) 福祉部のほうで次世代計画という計画をつくっておりまして、その中で、ちょっと正確な名前はあれですけども、子ども審議会を持っておりまして、その中で、幼児も含めた子どもの成長段階に応じた施策というのを取り組んでおりますので、そういった中で、審議会というのは、幼児教育も含めて考えているということでございます。

◆(三浦寿子君) その中には、教育委員会の関係者も入っておられるということですかね。はい、わかりました。
 今回、私が心配したのは、私自身は、幼児教育というのは、今、学校の本当に多くの子どもたちが抱えてる課題、さっきもうちの後藤委員が言ってましたように、社会の変動によって課題が大変複雑化してると。ニートとかひきこもりとか大変多いという現状も、青少年のほうの課題としてある、その基礎となるのは、やっぱり私は幼児教育やなというふうにいつも思ってるんです。
 しかし、残念ながら、教育委員会の中での幼児教育の位置づけがいつも見えへんなという気がしまして、今回も、この振興計画の中でこういう位置づけしていただいてるのに、どこがどう責任を持って幼児教育の推進をされるのかなというのがいつも不安になってくるところなんです。
 今後は、そういう課題も重点課題の一つとして掲げられてるということですけれども、今、福祉部に審議会があるということなんですが、そういう意味で、そこの関係とのかかわりも大事かなとは思うんですけれども、やはりぜひそういう関係機関をまたしっかり構築していただいて、推進していただくことが大事かなというのはちょっと一つあるんです。
 あとは、知事としまして、幼児教育の位置づけ、私は大変重要だと思ってるんですけれども、そこら辺の知事の認識と、今後、重要課題の一つとしての幼児教育の推進、どのように取り組んでいこうとされるのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

◎知事(松井一郎君) 幼児教育につきましては、生涯にわたる人格形成の基礎を培う重要なものであると思っております。幼稚園、保育所、学校、家庭、地域が協働して総合的に取り組みを進めることが重要と。ということは、やはりその地域というか、市町村が主体的に一番はやってもらう、それプラス家庭教育、そういうところが非常に重要なポジションを占めるんではないかなと思ってます。
 かといって、この広域自治体である大阪府が知らんふりをするのではありません。教育振興計画の成案に向けては、委員からのいろんなお話も受けて、教育委員会と協議を進めてまいります。ただ、先ほども部局からの答弁ありますように、福祉部にもそういう審議会等は設けておりますから、そこでの御意見もしっかりと聞いていきたい、こういうふうには思っております。

◆(三浦寿子君) 市町村が主体ということで、保育とか在宅にいてる子どもたちの支援とか、本当に密着型の課題ではないかとは思うんですけれども、でもこの計画の中での重点的な位置づけ、全体的にも、大阪の子どもたち、社会全体の総がかりで対応していくということで、幼児教育もその一つではないかと思うんですけれども、特に幼児期というのは、かかわり方というのは特に大事ではないかと思いますので、ぜひ福祉部との関係、また関係部局との関係、また地元市町村との関係、しっかり築いていただいて、大阪における幼児教育の充実、図っていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 ありがとうございました。以上で終わります。