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三浦とし子議会報告
平成22年3月23日 都市住宅常任委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) 公明党の三浦寿子でございます。
 私は、先日の委員会で地元吹田市内の河川、上の川についてお伺いいたしました。上の川というのは、千里丘陵に発し、流入先が糸田川、神崎川へとつながる淀川水系の一級河川です。
 実は、ちょっとごらんをいただきたいんですけれども、上の川は、平成九年に発生した浸水被害を契機に一応治水対策、これは地元市の協力によって千里山公園に調節池の設置が進められてきたんですけれども、平成十八年、十九年にもこういった浸水被害が発生するなど、五十ミリ対策が完了していない危険な河川であります。これは、ちょっとそのときのはんらんした状況なんですが。
 この川は、吹田市の中央部を南北に流れており、その沿川は市街化された丘陵地であることから、降った雨が一気に河川に流れる典型的な都市河川です。この上の川は、鉄道、ちょっとこの写真がわかりにくいかもわかりませんが、これ真ん中が上の川で、横の道路が府道の吹田箕面線です。ちょっと欄干があるのは、これ実は阪急電車の豊津駅の安全さくなんですが、いわゆるこういった道路や鉄道が近接するとともに、民家が密集しているという、張りついており、河川の幅を広げることが、これ下流からだんだん上流に向かったらこういう形になってくるんですけども、この河川の幅を広げることが難しいため、治水対策として、地元吹田市と連携して、流域の中に雨水を貯留する方法を先進的に取り入れて推進してるとも伺ったところなんですね。
 こんな形でかなり狭くなっていくということで、横に、鉄板護岸というんだそうですけれども、こういった護岸を整備することによって防いでるという現状でございます。
 具体的には、地元市では、雨水を貯留する地下の調節池の整備にあわせて吹田市が学校グラウンド内に流域貯留施設を設置するなど、また流域内の新たな開発事業に対して、条例で貯留池や浸透ます等の雨水貯留施設の設置を義務づけております。
 また、さらには、市内の方々には、こういった形で各家庭に雨水貯留タンクを設置していただくすいたンクという事業をされています。実はこれ、ほかの市でもやっておられるんですけれども、これは雨水の再利用の効果とともに、川や水路への急激な流入を防ぐという意味で、このタンクを設置することを助成もしてます。この二十一年、二十二年で約九割方の助成を吹田市はやって、二千百戸を設置目標にやっておられるそうでございます。
 このように、都市部を流れる河川の治水対策は、流域全体の中でありとあらゆることを実施していく必要があると思います。また、今後の大阪府の治水対策の進め方が見直される中、このような取り組みを府域のほかの流域でも実施することが必要と考えますが、知事の御意見をお伺いします。

◎知事(橋下徹君) 最初に八十ミリ対策とかいう言葉を聞いたときに、何かそれをやると絶対安全だというような、僕も行政の長についてそういう感覚から、これが違うということがだんだんわかってきて、結局今の五十ミリ対応とか八十ミリ対応というのは、川の中に水を閉じ込めておく、その雨までは閉じ込めておくということなんですけども、府民の皆さんの命が奪われないようにそういう雨に対応できるというところが本来の趣旨なのに、いつの間にか川の中に水を閉じ込めるというところがゴールになってきたようなところがあって、その八十ミリ対応で八十ミリの雨まで全部川の中に水を閉じ込めることが可能なんであればいいんでしょうけど、もう今、府の財政状況ではそれは無理ですから、じゃ河川ごとに見て、一体何ミリぐらいまでの雨はその川の中に水を閉じ込めることができるけれども、それを超えた場合でも、八十ミリの雨が降ろうとも、九十ミリの雨が降ろうとも、対策はとらなきゃいけないわけでして、それはもう川から水があふれ出ることを前提に、いろんな対応策を考えていかなきゃならないと思ってます。
 大阪府域内の河川ごとにちょっとリスク評価をした上で、その川の中に水を閉じ込めることができない箇所については、こういうような対策を積極的に取り入れていくようなことも含めて、きちんと河川整備計画を練り直したいというふうに思っています。

◆(三浦寿子君) 今、委員会で検討中ということで伺ってるんですけれども、私も、やはり今もう温暖化が激しくなって、どれだけの雨が降るかというのが見当がつかないという状況になってるし、またこの下流の糸田川というのは、今ちょっと護岸が老朽化してまして、ブロックを積んでいただいてるということを聞いてるんですが、もしここで地震が起きたらどうなるんやろうとかいろいろ考えると、ありとあらゆる方法をとっても、それを整備していくには財政的にすごくお金も要るということで、やはりそういうハードとソフト面での対策というのが今後大変重要ではないかなと改めて、質問するときにいろいろ伺って、そういう感じで受けとめたんですけれども、ハード以外での、知事もおっしゃってましたけど、ソフト面、これはやっぱりしっかりこれから対策を練っていかなければいけない。確かに五十ミリといっても、五十ミリ対策してもこのような形で洪水が起こるということなので、まずはソフト面をやっぱりこれから大阪府としても積極的に対策をとってもらいたいと思うんですね。
 実は私も、こないだ総務省の報道資料でちょっと見たんですけれども、災害時の要援護者支援に対する方針など、この策定というのもしていくようになってるんですけれども、大阪府では、二十一年度で五一・二%という市町村でのまだ取り組みの遅さとか、またこういった大阪府版の避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成のガイドラインというのも平成十九年につくられているということで伺っておりますし、また避難所運営マニュアル作成指針、これも大阪府では作成されて、市町村が円滑にこういったことに取り組めるようにされてるんですけれども、まだまだ市町村の取り組み状況が遅いというのが実態ではないかと思います。
 そういう意味では、やはりこれは市町村が主体になってやらなければいけないんですけれども、こういったまずはソフト面で避難時の対策といったものが大事ではないかと思いますので、その推進については、大阪府がしっかりリーダーシップをとって推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 今、治水対策ということで伺ったんですが、次に河川の環境対策、こういった面においても、府と地元市町村及び住民が相互にスクラム組んで取り組んでいかないといけないということでありますが、上の川の下流、先ほど言いました糸田川というとこを、ちょっと写真が、ちょっとここでは大分先のほうなんですけども、このずっと奥のほうが糸田川になるんですけれども、平成十四年から、地元自治会が参加する糸田川クリーン作戦というものを毎年一回開催しております。
 また、平成十六年度に周辺の十八の自治会、地元中学校が参画してワークショップというのを開催されました。ワークショップを通して、周辺住民の皆さんが河川のこと、治水、環境に対して大変興味と関心を持っておられることがうかがわれたところでございます。
 少しのきっかけがあれば、さらに多くの府民の方々が防災や環境など地域活動に参画するようになりまして、ひいては地域の人材づくりや組織づくりも発展していくものと考えております。
 このような取り組みというのは、まず地元市町村の役割と考えますが、私の地元の吹田市でも、これまで神崎川を中心に周辺企業が中心となって、桜まつりや清掃活動、吹田まつりでのドラゴンボートなど、さまざまなにぎわいづくりを実施しているところでございます。
 桜まつりは、前、副知事に来ていただいて、フルートを演奏していただいたのを覚えてるんですけれども、さらにこういった地元吹田市においては、河川を活用した憩いの場づくりに向けて、河川親水整備事業を実施すると聞いております。委員会において担当課長から、府としても積極的なコーディネート役を務めて、河川を活用したさまざまな地元の地域活動を支援すると伺いましたが、改めて知事のお考えを伺います。

◎知事(橋下徹君) 川を維持する、清掃するということもそうですし、先ほどの箕面川のように積極的に活用するということでもそうですし、川というものを中心にみんな人が集まってきますし、掃除にしても活用にしても、それでコミュニティというものがまた活気づくということもありますので、地域の皆さんのその取り組みについては、市町村が本来はサポートするということは当然なんですけども、ただ大阪府でも、これまでアドプトリバーや水辺の楽校などの取り組みを通じまして、市町村と連携して地域活動の支援に努めてきました。
 これからも地域力の再生、向上という視点でもって、防災活動や環境学習などさまざまな地域活動を積極的に支援して、地域コミュニティの形成や地域力の再生を図っていきたいと思ってます。

◆(三浦寿子君) また、積極的な御協力をお願いいたしまして、私の質問を終わらしていただきます。ありがとうございました。