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三浦とし子議会報告
平成21年10月20日 都市住宅常任委員会
大阪府議会議事録より転載

◆(三浦寿子君) こんにちは。公明党の三浦寿子でございます。本委員会の最後の質問でございます。引き続きでございますが、どうか御協力のほどよろしくお願いいたします。
 先日――画面を見ていただいたらいいんですけれども、この十日の日に、吹田にある竜ヶ池ハウスという高齢者向け優良賃貸住宅を視察いたしました。
 これは、高齢者の優良賃貸住宅が四階建ての建物で、四階が高齢者向けの優良賃貸住宅、そしてあとは二階、三階が介護拠点とした在宅サービスとか、そういう介護の老人福祉施設等が入っておりまして、いわゆる居住の継続性が図れたシームレスケアを可能とする多機能の総合支援ができる施設でございます。
 これが入り口でございまして、この中に入りましたら、ケアハウスと特別養護老人ホームとの入り口が中で分かれているようになっております。
 これは、四階のこの優良賃貸住宅にあります共有スペースということで、各入っておられる方が、この共有スペースでそれぞれ食事もできるようになっております。
 これが優良賃貸住宅のスペースでありまして、大体三十五平米、かなり広い間取りになっております。ここは吹田の中でもちょっと高台になりますので、この窓からの眺めは、大阪市内も見えるような、なかなかいい眺めのところでございます。
 こういった施設を視察させていただきまして、本当にここに住まれてる高齢者の方に御意見を伺いました。その方、お一人で入っておられましたけれども、家族は皆さん東京にいらっしゃって、自分一人が大阪に残られてるんですが、このお部屋で、どんなことがあってもこの施設の中でいろんな介護サービスが受けられるということで、またお友達と交流もできるということで、ずっとここにいてますということで、大変反応としてよかったなというふうに印象をいただいた経過がございます。
 私も、これまで健康福祉の委員会におりまして、高齢者対策ということで、介護予防とか、またいわゆる見守り事業、そして医療と介護のサービスの連携ということでいろいろ取り組みをさせていただいてまいりました。今回、都市住宅のほうの委員会になりまして、またこの高齢者対策ということで、今の施設にもありましたように、どのような心身の状態になろうとも、住みなれた地域で安心して暮らせる、そういう住環境の整備というのが大変大事だなということで質問していきたいと思っております。
 もちろん、安心して過ごせるためにも、いわゆるまちのバリアフリー化や、そしてユニバーサルデザイン化も大変重要ではあると思うんですが、本当に今、高齢社会になる中で、単身の高齢者、そしてまた夫婦二人だけの高齢者の世帯、これが本当に目に見えてふえていくという現状がございます。そういった中で、どういった、住みかえを含め、また耐震化も含め、高齢者に対する住まいのあり方というのは大変重要ではないかと思いましたので、その内容を含めまして、高齢者の安定した住宅の確保ということで質問させていただきたいと思います。
 大阪府では、これまで、高齢者向けの住宅などに関する計画として、大阪府高齢者・障がい者住宅計画を策定されまして、各種施策に取り組んでこられました。特に、公共賃貸住宅である府営住宅と公社住宅について、高齢者に対応した住宅の供給の取り組み状況、これはどのようになっているのでしょうか。また、デイサービス等の施設の併設なども進めていると思いますが、その実績と、併設などを進める考え方を伺いたいと思います。

◎居住企画課長(山下久佳君) 府営住宅、公社住宅における高齢者向け住宅の供給、それから施設の併設の実績についてお答えいたします。
 まず、府営住宅では、高齢者を初めだれもが住みやすいバリアフリー化された住宅、これをあいあい住宅と呼んでますが、これを建てかえを行いますすべての住宅団地で供給し、建てかえを行いません既存団地におきましては、段差の解消などを行います高齢者向け改善事業、それから中層エレベーターの設置事業というのを進めてまいっております。
 また、日常生活の相談とか安否の確認など、サービスがつきましたシルバーハウジングというのも、市町村との連携により供給してきております。
 このほか、集会所を活用いたしまして、高齢者などが交流できますふれあいリビングというのも、地域の社協などと連携して行ってきております。
 公社につきましても、建てかえ団地において供給するすべての住宅についてバリアフリー化を行っておりますし、今の高齢者向け有料賃貸住宅、公社としても供給を行っております。
 次に、住宅団地へのデイサービスなど施設の併設についてでございますが、主に建てかえ事業などにより生み出される活用用地について、地元市町村と協議、調整を行って導入しているという現状でございます。
 実績といたしましては、府営住宅団地において、デイサービスセンター、特別養護老人ホーム、医療福祉センターなどの併設例が七団地ございます。それから、公社住宅におきましても、デイサービスセンターとの併設など、二団地を行っております。
 今後とも、活用地は、やっぱり公共利用をまず優先という考え方を持っておりますので、住宅団地へのデイサービス等の併設について、地元市町村と協議、調整に努めてまいります。

◆(三浦寿子君) 公共住宅などのこういった高齢者の対応というのは、大変これまで行ってきたサービス事業と、介護保険制度ができた中で、いろんな課題もあると思います。また、低所得者の高齢者というのもこれからふえていく中で、この公共の住宅のあり方というのは、本当にこれからもしっかり地域と連携しながら取り組んでいただきたいと思ってます。
 次に、先ほど伺いました高齢者向け優良賃貸住宅について伺いたいと思うんですけれども、先ほど行きました竜ヶ池ハウスというんですけれども、そこは管理開始直後の入居者募集というのがどうなるかということで大変危機感を持っておられたそうですけれども、案外早く満室になったそうです。これは、事業者が何としても――そういう危機感があったので、早く何とかいろんな地域に情報を報告しとかなあかんということで、包括支援センターやさまざまな介護支援センターに紹介をかけた結果、入居が早く進んだというふうに聞いております。
 ただ、平成二十一年七月末現在、こういった民間のオーナーや社会福祉法人が整備した高齢者向け優良賃貸住宅、これの管理戸数が九百六十五戸あると聞いております。このうち、百九十六戸の空き家があると聞いておりますが、そういった空き家の多い高齢者向け優良賃貸住宅にどのような課題があるのでしょうか。

◎居住企画課長(山下久佳君) 高齢者向け優良賃貸住宅は、高齢者世帯の方々が、いわゆるついの住みかということで、慎重にその住宅の様子を見るというんですか、選定されるということで、入居率が高くなるまでにちょっと一定の時間がかかるというのが、ほかの住宅と比べて特性かなと思います。経営を開始して間もない新しい住宅ほど、空き家がちょっと多いという傾向にございます。
 この入居促進をするための募集情報の提供でございますが、事業者が新聞、それから賃貸住宅情報誌とかインターネット、それからあと市町村の広報についても協力をさせていただいて、それも活用して周知に努めておりますし、大阪府といたしましても、市町村の住宅部局でのリーフレット配布、それから先月出ましたが、府政だよりでも情報提供を行っております。ただ、これだけでは、まだまだ入居者、入居を希望される方にきめ細かく対応できてない、これが課題かというふうに思います。
 今後は、福祉関係者、今まで住宅関係が多かったんですが、福祉関係者や市町村の福祉部局への協力依頼も、私ども、したいと思っておりますし、事業者にも、住宅関係者多かったんですけど、福祉関係者への協力要請も指導いたしまして、高齢者向け優良賃貸住宅の入居促進に努めてまいりたいと思います。

◆(三浦寿子君) 民間のオーナーや社会福祉法人による高齢者向け優良賃貸住宅の供給が求められているものの、まだまだ広く普及されていないのが現状でございまして、以前、吹田の街かどデイハウスをやっておられるNPOの方が、本当に地域のそういった介護予防もしっかりやっていただいて、この大阪府の優良賃貸住宅の制度をかりて、何かそういうサービス事業をしたいということで相談されたんですが、結果として、大変厳しい条件があったようで、その場所での設置を断念されたというふうに聞いております。
 多くのNPOの方や医療福祉サービス業者が、こういう事業を実施できるような基準にできる、基準に合わしていくということが本当に望ましいと思うんですけれども、現在、整備基準の見直しというのを検討されていると聞いておりますが、どのような状況か、お伺いしたいと思います。

◎居住企画課長(山下久佳君) 高齢者向け優良賃貸につきまして、大阪府として、住戸内外のバリアフリーとか、あと住戸面積、先ほど三十五平米と出てましたが、それが基準なんですが――とか、あと建築敷地の接道、道路の幅ですね、それから敷地周辺における購買施設とか利便性の状況というのを要件として定めております。
 これらの要件につきまして、高齢者優良賃貸住宅の供給を促進するという観点で、いろいろ事業者さんとキャッチボールを今させていただいております。相談内容、いろいろ参考といたしまして、まず建築敷地の接道要件について、今年度から、原則六メーターと言っておりましたが、建築基準法上守ればよいとされてます幅員四メーターという形で緩和いたしました。さらに、今年度中に、整備計画の中で住戸面積、それから駅からの距離というのも要件にございます。こういった要件についても、どのように緩和したら、余り緩和ばかりしても皆さん役立てないかもしれません、その辺の事業者さんへのヒアリングなどを通しまして緩和を検討いたしまして、高齢者向け優良賃貸住宅の促進を図ってまいります。

◆(三浦寿子君) ぜひ、早い見直しをお願いしたいと思います。
 高齢者専用賃貸住宅や有料老人ホームなど、高齢者の住まいはさまざまな形態がありますが、住まいを探している高齢者や福祉関係者が、それなりの情報をなかなかつかめていないというのが現状です。
 私のほうにも、今住んでるマンションが大変高い、年金生活になってきた、しかし府営住宅には入られへん、行き場がちょっとどうしようかという相談がやはりたくさんありました。
 たまたま私のほうに相談があったので、この優良賃貸住宅、言うたら家賃補助もありますし、お手ごろな値段ということで、たまたまあいてたもので、何人か紹介させていただいた方は、喜んであいていたところに入っていかれたんです。
 なぜか女性が大変、ほとんど女性だったんですけど、やっぱりひとり暮らしの女性は多いなということで感じた次第なんですが、こういったいろんな――私もこの質問するまで、あんしん賃貸住宅といって、普通の民間の賃貸住宅、高齢者が入居可能な賃貸住宅、こういったものもあるとか、さまざまな形の住宅があったことを知ったわけですが、なかなかそういう情報というのをつかめていないし、一般の方もわからないし、たまたま私の事務所の下が不動産屋さんで、こういう高齢者の対応をしているような住宅というのは登録されてありますかいうたら、そんなんあれへんし、高齢者なんて金にならんから置いてないんちゃうかと、こういうふうに簡単にあしらわれたんですが、そういう情報というのは大変大事ではないかと思っております。
 神戸市が、そういったすまいと暮らしの総合情報サイトというのをつくっておりまして、高齢者の方が自分に合った住まいを見つけようとしても、なかなか情報がどこにあるのかわかれへんかったり、またその施設のサービスがどんなものかわからない、多くの問題があるということで、そのわかりづらい情報を集約し、簡単に検索して比較もできるホームページをちゃんと開設されております。
 また、ここには一応相談窓口もありまして、消費者の個々の要求に応じたアドバイスも行っているということで、意外と実際に相談を受けて、相談者の経済状況や身体の状況を聞いてみると、相談者が当初想定していた施設とは全く違った施設やサービスを選択したほうがよいということがわかったという、そういう丁寧な住まいの情報を提供してるというのがあるんですね。
 大阪府においても、こういった高齢者専用賃貸住宅など、住宅の情報や有料老人ホームなどの施設の情報を初め、このほかバリアフリー改修など、高齢者の住まいに関する情報などを一体的に提供するような工夫が必要ではないかと思いますが、その点はいかがでしょうか。

◎居住企画課長(山下久佳君) 現在行っております高齢者向けの住宅に関する情報提供といたしましては、高齢者円滑入居賃貸住宅、これは入居拒否をしないという住宅の登録制度ですが、この住宅、それから高齢者向け優良賃貸住宅など高齢者向けの賃貸住宅の情報、それから自宅のバリアフリー改修などを行う際のリフォームの事業者さんの情報、それからその他融資制度とか補助制度の情報について、これは大阪府の住宅まちづくり部の中で、住宅情報のホームページということで一元的にと思ってつくったものでございます。
 ただ一方、有料老人ホームなど高齢者向け施設の情報については、福祉部のホームページで提供されてるという状態です。
 私も、神戸市のインターネットで見まして、そこでは福祉部の関係の施設と、それから住宅という、おんなじところで見れるとか、施設の選び方とか住まいの選び方みたいなアドバイスも載ってるということで、ちょっとこれは負けてるなと思いました。
 今後、こういう神戸市の事例とか、ほかの事例も参考といたしまして、消費者の視点に立ちまして、高齢者の住まいに関する情報、住宅だけではなくて施設も含めまして、府民にいかにわかりやすく提供できるかというのをちょっと福祉部と一緒に勉強いたしまして、ホームページ等の活用、改定を考えていきたいと思います。

◆(三浦寿子君) こういった消費者向けの情報提供、大変大事ではないかと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
 次に、事業者向けの情報提供についてもお伺いしたいと思います。
 ことしから、今年度ですけれども、国土交通省による高齢者の居住安定化モデル事業、これが実施されております。二十一年度より五カ年間という限定でございますが、ことし五月に実施された第一回募集において、百十九ほどの応募があったそうですが、選定された二十六事業のうち、大阪府から吹田の事業者の方が二つ選定されております。
 これ、先ほど、大阪府のいわゆる特優賃のほうを申し込まれて基準に合わなかった方がこのモデルに選ばれたんですけれども、グループリビングということで、二十四時間見守りつきの介護予防住宅ということで提案されて、モデル事業に決まったとお伺いしております。
 これで、やっと自分の思いどおりの事業が進めるということで、大変喜ばれているところでございますが、たまたまそれでまたお電話したところ、このモデル事業をどうやって知ったんですかと聞いたら、東京の関係者を通じて、本当にぎりぎりだったんですけれども、締め切りまで、本当にそれ、滑り込みで申し込みましたということで聞きました。
 このようなモデル事業の募集情報、また府営住宅の活用地の情報など、事業者にとって有効な情報が、住宅関係事業者だけではなく、福祉や医療サービス事業者にも確実に提供できるよう、マッチングできるようなシステム、そしてまた府としても、住宅部局と福祉医療部局が連携して、情報提供の仕組みづくりを今後検討していっていただきたいと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。

◎居住企画課長(山下久佳君) まず、高齢者居住安定化モデル事業ですけど、何か難しい定義があるんですが、先導的な高齢者向けの住宅に関する技術、システムの導入や、高齢者向けの生活支援や介護サービス等が効率的、効果的に提供される住まいづくり等について補助を行うということで、こういうサービスつきの住宅なども補助対象となるということで、今後五年間やっていくという制度でございます。
 このモデル事業の情報につきましても、実は大阪府内の住宅とか建築関係事業者には周知努めてきたつもりでございまして、ただ先ほどのNPOさんは、住宅建築関係の事業ではなくて福祉関係の事業者さんだったということで、どうも情報が行き渡ってなかったということでございます。
 今後、よりやっぱり福祉医療サービスの事業者さんにも、住宅なり、こういうモデル事業の情報って提供すべきというのがよくわかりましたので、福祉医療部局との連携も図ってまいりたいと思います。
 また、モデル事業に限りませず、福祉サービス事業者が欲しい情報というんですか、求めておられる情報、例えば住宅団地に社会福祉施設等を併設する、そういう活用地が出るというふうな内容ですね、そういう福祉サービス事業者さんが府営住宅の活用地の情報を広く受け取れるとか、そういうことをうまく周知していくように、ホームページを活用いたしまして情報提供を行ってまいります。

◆(三浦寿子君) この五月に高齢者住まい法が改正されまして、法律の所管が国土交通省と厚生労働省の共管となり、この法律に基づく国の基本方針というのが示されました。その中に、住宅施策と福祉施策が連携して、高齢者が身体状況等に応じた望ましい日常生活を営むために必要な保健医療サービスや福祉サービスがついている高齢者の住まいの整備を進めることが求められているとあります。
 これまで述べてきましたように、高齢者の住まいの充実を今後進めていくためには、住宅部局と福祉部局とのより一層の連携が必要となってくると考えますが、高齢者住まい法の改正により、都道府県が高齢者居住安定確保計画を策定できるようになったとも聞いております。
 大阪府でも、高齢者の住まいの安定を図るために、この計画の策定などに際し、府の福祉部局、さらに福祉施策を実施している市町村との連携を密にして取り組みを進めることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

◎居住企画課長(山下久佳君) 現在の大阪府高齢者・障がい者住宅計画では、高齢者向けの住宅の供給などについて、基本的な考え方、それから具体的な施策、公営住宅の供給目標量などを定めております。
 先生御指摘の高齢者居住安定確保計画というのは、この大阪府高齢者・障がい者住宅計画の内容も多く含んでおりますが、この項目に加えまして、高齢者に対する老人ホームの供給の目標とか、あと居宅において、日常生活を営むために必要な保健医療サービス、福祉サービスの提供というものも含めるというふうになっております。
 現在、高齢者居住安定計画の策定に向けまして、庁内福祉部局と各関係課、それから我々の住宅部局の各関係課、検討体制をつくろうと思いまして、今、調整を図っております。これを何とか体制をつくりまして、計画の議論を始めたいというふうに思っています。
 それから、高齢者の居住安定の確保の方策といいますか、施策を考えるに当たりましては、府の部局だけではなくて、市町村の住宅、それから福祉部局、さらには社会福祉協議会とか、そういった福祉関係団体ともそのお話をして、どうやっていったらいいかというのは、まだ我々、なかなかパイプを持っていないのですが、今回、この計画を検討することを契機にいたしまして、住宅部局からも、そういう市町村の福祉部局とか福祉関係団体にも出向きまして、いろいろ議論させていただいて、検討を深めていきたいと思っております。

◆(三浦寿子君) ありがとうございます。これは、この課題というのは、これからの取り組みだと思います。
 やはり、大変高齢化が急速に進む中で、いわゆる少子化対策も本当に喫緊の課題ではあるとは思うんですが、高齢者対策いうのは本当にもう大変な状況になりかねんなということで、健康福祉常任委員会に委員でいてたときも、急速な高齢化と認知症の増加というのは、本当に大きな課題やなというのを感じてます。
 今、単身の高齢者が大変ふえてきたり、高齢者夫婦だけの世帯が本当に現実的に私の周りにも大変多いです。今、私自身もそうなんですが、「おひとりさまの老後」という、まあ言うたら単身で過ごしていくための心構えとかノウハウとか、上野千鶴子さんの本なんですけど、これ真っ先に出たときに私は買いましたけれども、やはりそういう準備は必要やなというのをすごく思っておりますし、そういうことを考えると、本当にソフト面のサービスと、こういうハードのまちづくりとか住宅というのは、認知症がふえたり介護を必要とする人がふえていく中では大変重要な課題であり、国も、それを本当に喫緊の課題やと思って、こういう指針も出してこられたと思います。
 大阪府としても、地域のいわゆる福祉計画、また介護事業計画というのがあって、なかなかそこら辺の進展計画というのは、府としてもやりにくいところはあると思うんですが、やっぱりそういう協力を得ながら、またいろんな知恵を出してもらって、限られた予算の中で進めていってもらわなあかんと思うんです。
 そういう意味でも、最後に住宅まちづくり部長のお考えを、高齢者の住まいに関するお考えをお聞かせ願いたいと思います。よろしくお願いします。

◎住宅まちづくり部長(吉田敏昭君) お答えいたします。
 単身の高齢者の方でありますとか、夫婦のみの高齢者世帯の方、このように高齢者の方が安心して住まいを確保できるということは、委員お示しされてますように、住宅施策と福祉施策、これが連携することが非常に重要やと思ってます。
 府営住宅で、これまで、ハード面ではバリアフリー化を行ったり、また一部、福祉との連携するようなシルバーハウジングでありますとか、また高齢者の方々が交流できるような場のふれあいリビング、こういうこともやってきました。
 民間住宅に関しては、先ほどからいろいろ出てますような高齢者円滑入居制度でありますとか、高齢者向け優良賃貸住宅というような制度を使いまして、そういう住宅も供給してまいりまして、また府民や事業者の方にも情報提供にまだ不十分な点がありますけども、努めてきたところでございます。
 今後、さらに高齢化が進みます。こういった中でいきますと、住宅部局だけの取り組みというのは、府民の住まいのニーズには十分こたえられることはできないということだと認識してます。
 先ほどございました高齢者の居住安定確保計画というような計画も策定するということもございますし、福祉医療部局でありますとか、福祉を直接担当する市町村、それから福祉関係団体、こういった方々等と連携を強化しまして、高齢者が安心して住める住まいの確保に努めてまいります。

◆(三浦寿子君) ぜひ、積極的にお願いしたいと思います。
 それでは、二問目でございますが、おおさか東線の着実な推進についてということでお伺いします。
 このおおさか東線の――私、地元吹田ですが、吹田の西吹田駅が予定されている地域というのは、吹田の南部に位置するところで、南吹田地域と言われ、吹田市の中ではそこの開発を今しっかりやってるとこなんですが、ここにつきましては、昭和五十一年に南吹田第一土地区画整理事業というのが完了いたしまして、地域の協力によりまして都市基盤施設整備や駅前交通広場等の建設用地を確保されてまいりました。しかし、事業完了以降、長期にわたり、この大阪外環状鉄道、おおさか東線のこの吹田市域における建設事業が進展せず、都市計画道路西吹田駅前線、また駅前交通広場も、こんな未整備になっているのが現在の状況でございます。
 こういった中で、今、吹田で大きな東部拠点のまちづくりということで、吹田貨物ターミナル駅の貨物専用道路進入路の工事が、この南吹田地域で、平成二十二年度完成を目指して今進まれております。
 また、既にこのおおさか東線の南区間、放出から久宝寺、これが平成二十年三月十五日に開業されまして、まだこの北区間、新大阪から放出、この開業につきましては、当初はこの二十三年度の完成を目指して進められておりました。
 こういった、吹田市としたら、この駅前の完成を目指して、駅前にふさわしい集客性を持った、また利便性を持ったまちづくり、これを何とか整備していきたいという思いで、地域とまちづくり基本構想などもつくって進めてきたわけでございます。
 しかしながら、今回、この六月に、三十年度末に延期すると、こういうふうに発表されました。
 当初、十八年度の時点、北区間の事業着工、この十八年度からされたんですけれども、その時点で私も説明を受けてきたのは、課題となるのは、宮原踏切の安全対策と神崎川左岸における事業用地の確保という課題があると説明を受けてきました。その課題についても、交渉が鋭意に行われており、二十三年度末完成に向けて進められていると聞いてきたわけででございます。
 突然ことしになって、急に三十年度末に延期という話が出てきたわけですね。去年の六月か七月時点でも、まだ二十三年という話が出てきたのに、一体この三年間、どのような事業推進をされてきたのか伺いたいと思います。

◎都市交通課長(岡村隆正君) おおさか東線は、本府や大阪市等の沿線の四市、それからJR西日本等が出資する大阪外環状鉄道株式会社を事業主体として、平成二十三年度全線完成目標に事業を進めてきました。
 北区間については、宮原踏切の安全対策のため、計画変更した梅田貨物線への乗り入れ方針に基づいて、平成十八年度から新大阪駅構内の配線変更に係る設計に着手するとともに、ほかの河川や道路と交差する箇所の協議等に取り組んできました。
 また、お示しの神崎川南部の事業用地の第三者占有問題につきましては、家屋や倉庫などの物件が線路に並行して約四百メートルにわたって占拠しておりまして、断続的に交渉を続けてきましたけども、平成十九年三月、JR西日本と大阪市が土地の明け渡しを求めて訴訟に踏み切りました。
 そういう取り組みをしてきました。

◆(三浦寿子君) 今、説明を聞いてわかったわけなんですけれども、こういった吹田市、この二十三年度末完成に向けての取り組み状況など、地域住民の方は、これまでもずっとずっと、何かこう、一時は断念されて、またいけるという話を聞いて、地域住民の方は、この三十何年間、もう本当にいつになったらできるんやという思いがあったわけですね。
 そういう情報がもっと早い段階でわかっていればいいんですけれども、やはりこういう地元に対する説明責任というのは大変重要だと思うんですけれども、その点はどうでしょうか。

◎都市交通課長(岡村隆正君) 昨年三月に南区間が開業しまして、これから残る北区間に全力を注ぐという時期に至って、先ほど申し上げました新大阪駅へ乗り入れる区間は、想定より工事が長期に及ぶことが明らかになってきました。結果、平成二十三年度の目標達成そのものが厳しくなってきました。そのため、大阪外環状鉄道株式会社、JR西日本初め沿線自治体とともに、工期短縮を含めた全体のスケジュールについて議論を重ねておりました。
 一方、着手時期について、先ほど申し上げました訴訟の行方が見通せなかったこともあって、新たな完成目標を見定めることができなかったのですが、本年春に至って、第三者占有問題も解決の方向に向かうなど、現地の着手のめどが立ってきましたので、やっと地元に対して説明できる状況が整いました。
 ただ、しかしながら目標の達成が厳しくなった時点で地元に対して適時の情報提供ができなかったことについては、配慮が行き届かなかったかなと反省しております。

◆(三浦寿子君) 本当に大阪府は信用ならんと、地元ではかなりお怒りでございまして、今度、三十年というのを目指してますが、これもまだみんな、ほんまにまたできるんかという声も聞いております。
 ただ、今回、新たに新大阪に行くということで、工事の内容も変更がありました。配線変更ということで、JR構内での大変大がかりな工事が見込まれてるわけですが、本当にまたこの工事、事業計画聞いてますと、三十年目途に本当にできるのかなと、これは私の声と地域住民の皆さんの声なんですが、また総事業費が一千二百億円という中で、今回配線変更や立体交差など、事業変更によるコスト増があるのではないかという疑問もあります。
 大阪府は、事業を進める大阪外環状鉄道株式会社に対して、大阪市や吹田市とともに出資しておられます。今後、経費の、建設費の削減を行いながら、事業を着実に推進させるよう、同社をリードする役割を担っていただきたいと思いますが、その点についてお伺いします。

◎都市交通課長(岡村隆正君) 現在、北区間の詳細設計を進めておりまして、またことしの夏からは準備工事も着手でき、今後、工期に大きく影響する課題は解決したと考えております。
 また、今般、建設主体である大阪外環状鉄道株式会社は、工事の受託者であるJR西日本とともに、本体工事の発注に向けた準備体制が整ったこともあり、平成三十年度の期限に対して、一日でも早く完成できるよう全力投球することになります。
 事業費につきましては、お示しのとおり、東海道線を高架構造で乗り越して、梅田貨物線を活用して新大阪駅まで乗り入れる区間では、営業線を順次移設しながら施工スペースを確保する必要があり、既存施設の移設費や工事中の保安費など、工事費の増嵩も懸念されます。そのため、大阪外環状鉄道株式会社は、昨年十二月に、同社内にコスト縮減及び事業費検討委員会を設置して、コスト縮減に取り組んでおります。
 今後、大阪外環状鉄道株式会社は、コスト縮減及び完成目標の達成に向けて、設計や施工内容の見直し、現場の進捗管理を確実に行うことが重要な責務になってくることから、同社がそれを確実に役割を果たすよう、本府は自治体のリーダー役として責任を持って指導してまいります。

◆(三浦寿子君) ぜひ、自治体のリーダーとして、しっかりこのコスト削減の取り組みもやっていただきたいと思いますので、よろしくお願いします。
 昨年、久宝寺―放出間、この南区間、部分開業されました。利用状況は、当初の目標に対してどういう状況でしょうか。
 また、おおさか東線は、新大阪から放出までの北区間の完成によって本来のネットワーク機能が発揮されると思います。この鉄道を多くの方が利用していただくことにより、沿線地域の利便性やまちづくりに寄与できるものと考えますが、梅田貨物線を活用し、梅田北ヤードまでつながるおおさか東線が、将来、地元にとってより便利に運行されるよう、府としてどう取り組まれようとしているのか、教えてください。

◎都市交通課長(岡村隆正君) 営業を開始した南区間の五つの新駅を利用される方は、一日当たり約一万人となっており、JR西日本が開業時に公表した目標の約一万八千人に対し、半分強にとどまっております。
 お示しのとおり、おおさか東線は、北区間の完成によって国土軸である新大阪まで結ばれ、本来の事業効果が発揮されます。また、新大阪駅付近で梅田貨物線に乗り入れ、梅田北ヤードにも直結できることとなって、さらなる利便性向上が期待されます。
 そのため、おおさか東線が、沿線住民にとってより便利な鉄道となり、多くの方に利用していただけるよう、運行主体であるJR西日本へ働きかけるなど、府としての役割を果たしてまいります。

◆(三浦寿子君) 私も、実はおおさか東線の南区間って乗ったことがなかったんで、この質問するからちょっと乗らなあかんなと思って、早急にトンボ返りで行ってきましたけれども、やはり近鉄の奈良線や東大阪線とか関係の、JR関西線とか、しっかり連携されてまして、割と昼間でもたくさんの乗客の方が利用されてました。
 そういう意味では、これが北で本当に完成すれば、大変利便性がいい交通ネットワークになるなというふうに感じた次第です。ことしの三月に開通した阪神なんば線というのも、大変好調ということで聞いてます。奈良と神戸間の直通運転が実現しまして、利便性が高まったということで、四月から八月の実績では、一日収入も乗客数も当初見込みよりかなり多くなったということで聞いておりますので、大変これが開通すれば期待が大きいなというふうに思っております。
 今回、地元周辺の南吹田地域の皆さんは、本当に落胆と、大変大阪府に対するお怒りとがある中にもかかわらず、吹田市の地元、皆さんは、この方たちは南吹田駅前というふうにしてほしいと言うておられるんですけれども、この南吹田駅まちづくり推進市民協議会、地元の周辺の皆様が中心になってこういった協議会を立ち上げていくという計画がございます。吹田市が策定しましたこの基本構想にのっとりまして、駅前広場や駅舎周辺の安心安全の確保や緑化対策、環境整備など今後のまちづくり、そしてまたこのまちづくりに自分たちがどう貢献できるか、こういったものを含めまして、市民が参画してまちづくりの推進を実施していこうということで立ち上げられた。
 すごいなと思ったんですが、協議会に対して、ぜひ今後、事業の進捗状況など、定期的な情報提供ができるような仕組みづくりを検討していただきたいと思うんですが、どうでしょうか。

◎都市交通課長(岡村隆正君) 今後、現場で沿線住民の協力を得ながら効率的に工事を進めていくためにも、事業進捗の状況について、適時、地元に情報提供していくことが重要だと考えております。
 また、駅舎周辺の環境整備など、市民参加のまちづくりにより、地元に愛される鉄道になるならば、利用促進にも寄与するものと思います。
 今後、お示しの南吹田駅まちづくり推進市民協議会も含めて、事業の進捗状況などの情報をきちんと地元に説明できるよう、吹田市など沿線市ともども、大阪外環状鉄道株式会社を指導してまいります。

◆(三浦寿子君) ありがとうございました。ぜひ、吹田市、また周辺地域の期待を裏切ることなく、大阪府がリーダー役になってこの事業、三十年目指して、しっかり、一日でも早い開通目指して頑張っていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
済みません、この質問に、もう一度、確認の意味で知事質問させていただきたいと思います。

○委員長(西野修平君) 知事質問の通告について三浦委員に確認いたしますが、質問項目につきましては、おおさか東線についてということでよろしいでしょうか。

◆(三浦寿子君) はい。

○委員長(西野修平君) それでは、ただいまの質問項目については、委員長預かりとさせていただきます。