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三浦とし子議会報告
平成16年11月22日 決算特別委員会
大阪府議会議事録より転載
◆(三浦寿子君) おはようございます。公明党の三浦でございます。
 それでは、早速順次質問に入らせていただきます。
 まず初めに、母子家庭の自立支援についてお伺いしたいと思います。
 近年、離婚が急増しているということで、離婚に伴い母親が子どもを養育するケースが多いことから、母子家庭への支援が重要な課題となっております。大阪においても、大阪府は既に自立促進計画を立てていらっしゃいますが、その中でこの離婚状況というか、これは十四年度なんですけども、二万四千件の離婚状況で、大阪府は全国が二・三の率に比べて二・八七と大変高い状況になっておりますし、またそれに伴う児童扶養手当の受給者も高くなっております。
 私の相談にも、すぐ離婚とかされた場合、生活保護の支給をお願いしたいという、そういうお電話はよくあるんですが、そういう中でもどうしても母親というのは、専業主婦であったら就職をどうしたらいいかとか、子どもが小さいと、子どもを抱えながら就職するにはなかなか就職活動も難しいといった点でそういう状況が生まれてくるのではないかと思います。生活保護の受給の母子世帯数も大阪府は全国の中で一六・八七%と高い比率になっている状況でございます、これ十四年度ですけれども。
 そういった中で今回、さらに国では、このような母子家庭を取り巻く状況に対応する中で、母子家庭への給付事業である児童扶養手当、これを支給開始後五年を経過すると減額することを決めており、平成二十年四月から減額措置が実施される予定となっております。児童扶養手当の減額を決めることとあわせ、母子家庭の自立を支援するため、減額になるとどうしても自立しなければ、生活を支えなければやっていけないという現状の中で、こういう自立を支援する施策が必ず必要でございますが、今市や福祉事務所設置町での相談体制の確立や、就業支援のための新たな給付金制度の創設などを柱とした母子寡婦福祉法の改正を行って、昨年四月から施行されているところでございます。
 これまでは主に大阪府が母子家庭の相談業務を担ってきたわけですが、この制度の改正により府内の市や福祉事務所設置町に母子自立支援員が配置され、身近な自治体において相談業務が実施されているところでございます。母子家庭の自立を支援するためには、とりわけ離婚直後に抱えるさまざまな悩みや相談に十分対応することが本当に必要ではないかと思いますし、家庭が変わることによっていろんな支援策があるわけですが、その悩みをどこに言うたらええかわからへんのが一人母親の状況ではないかと思います。そのためにも、これまで府が担ってきた母子家庭支援策のノウハウを市や町に十分伝えていくとともに、府と市町村が十分連携をとり、さまざまな事業を展開していくことが重要であると思うわけです。
 現在、府として市や町の母子自立支援員とどのような連携をとっていらっしゃるのか、また母子自立支援員のスキルアップのため、どのようなバックアップを行っていらっしゃるのかをまず初めにお伺いしたいと思います。

◎児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君) 母子自立支援員につきましては、平成十四年度まで府の母子相談員を府内の七カ所の子ども家庭センターに配置いたしまして、市や町の福祉担当窓口に出向き、相談支援に当たってまいりましたが、母子寡婦福祉法の改正によりまして、昨年度から市や福祉事務所設置町の母子自立支援員が相談業務に当たっております。福祉事務所を設置しない町村におきましては、従来どおり府の母子自立支援員が相談業務を行っているところでございます。
 母子自立支援員は、母子家庭からのさまざまな生活相談に応じるとともに、母子寡婦福祉資金の貸し付けや各種自立支援策についての相談や情報提供を行うなど、その役割は非常に重要なものとなっております。
 このような制度の改正の立ち上がり期には、お示しのように府と市町との連携を図っていくことが重要であることから、母子自立支援員やハローワークなどの参加を得た連絡調整会議や、府と市町の母子自立支援員との意見交換会を府内のブロックごとに開催しております。
 また、市や町の母子自立支援員に対しまして、年金や生活保護などに関係する制度の紹介、また法律問題の基礎知識の習得、事例検討を通じるなど支援方策につきまして研修を実施するなど、府としてもさまざまなノウハウの提供に努めているところでございます。

◆(三浦寿子君) 本当に一番の窓口業務がこの自立支援員さんと思いますので、またそのバックアップをしっかりやっていただきたいとともに、そういう母子家庭に対する相談業務については、今後さらに各市町の主体的な取り組みとあわせて、さらにおろしただけではなくて、府としても継続的なバックアップがまだまだ必要ではないかと思います。
 また、今回の法改正により、市や福祉事務所設置町が自立促進計画を策定することになっております。府はこの計画を大阪府としては昨年策定されたんですが、母子家庭支援策を総合的、計画的に推進するためには、まだまだ市や町においても早急に策定されるべきであると思いますが、その取り組み状況について教えていただきたいと思います。
 また、先ほどの相談事業の充実とあわせ、母子家庭の母の就業を支援するための自立支援給付金事業が自立支援策の柱として十五年度に創設されましたが、それらの事業もあわせて市町の取り組み状況を伺いたいと思います。

◎児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君) 自立促進計画の策定についてでございますが、法律上義務規定とはなっておりませんが、母子家庭の自立支援策を効果的に推進するため、住民に身近な市や町が地域の実情に応じて計画を策定することが重要と認識しております。平成十六年度におきましては、三十二の福祉事務所設置市町のうち九つの市町が計画策定、または計画策定に取りかかる予定と伺っております。
 府としては、昨年度策定いたしました府の計画をモデルとして示すとともに、調査の手法や計画内容に対する助言、策定委員会への参画など必要な支援を行いながら、市や町において早期に策定されるよう働きかけてまいりたいと考えております。
 また、自立支援給付金事業でございますが、十六年度の状況を申し上げますと、府はその所管している福祉事務所未設置の町村−−八町一村区域でございますが−−において実施しております。他方、市や町が所管しております三十二のエリアにおきましては、十二の市町が事業を実施している状況でございます。府内において取り組み状況に差がありますことから、府としましては、今後とも市や町との会議の場などあらゆる機会を通じまして、事業実施の働きかけを行ってまいりたいと考えております。

◆(三浦寿子君) 今実施状況をお伺いしたんですが、本当にまだまだ計画も三十二市町のうち九市町、さらに自立支援給付金事業のところが実施が十二市町ということで、本当に厳しい状況ではないかと思います。法改正の趣旨を踏まえた対応と各市町なってないような気がしますし、まだまだこの説明がなされていないのではないかなというふうな気がします。
 府としては、今後ともこういった市や町に対して、事業実施に向けた強力な働きかけを行っていただきたいと思います。市や町において相談業務を実施することになったとはいえ、就業支援策については今後とも府が広域的な役割を果たしていくことが重要ではないかと考えます。
 母子家庭の母というのは、家計を支える就業と子育て、さらには家事を一人で担うことになって本当に大変な状況です。国の調査では、母子家庭の約八五%が働いている。その内容は、ほとんどパートとかそういった単位での就労ですし、年収においては約六七%から八%が二百万未満という本当に厳しい状況でございます。
 大阪府では、全国に先駆けて母子家庭等就業・自立支援センターを立ち上げていらっしゃいます。就職のあっせんや、さらにスキルアップ講座などの実施を行っておられますが、その実績とかいうのはどういう状況でしょうか。

◎児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君) 府が就業支援策として広域的に実施しております就業・自立支援センター事業についてでございますが、昨年度三百九十九人の相談者に対しまして百十人が就職となっております。今年度は九月末現在でございますが、二百十四名の相談者に対しまして六十六名の方が就職に至っております。さらに、パソコンやヘルパー研修などスキルアップのための就業支援講習会についてでございますが、昨年度約三百人が受講していただいております。今年度もほぼ同様の状況でございます。

◆(三浦寿子君) 今就業支援センターの実績について説明を伺いましたが、この就労数もまだ三分の一程度の就労ですね、相談者に対して。本当にそういう意味ではなかなか厳しい状況ではないかと思います。さらなるセンター事業の充実はもとより、関係機関との連携によって母子家庭の就職ニーズにこたえることが重要ではないかと思います。
 また、今現在としてこういう社会状況の中でも、母子家庭と言わず大変厳しい雇用情勢にあることは事実でございます。しかし、母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法が昨年八月に施行されたことも踏まえて、母子家庭の母の雇用の確保などを通じた就業支援のためには、センター事業の着実な推進とあわせて事業主への働きかけや、国や市町村を初めとしたさまざまな機関が力を合わせて取り組んでいくことが重要と考えますが、その点はいかがでしょうか。

◎児童家庭室家庭支援課長(水本行彦君) 就業・自立支援センターでは、事業主から直接求人を受理することによる職業紹介を行うとともに、ハローワークなどと連携した求人情報の提供も行っております。あわせて離職期間が長い方や、初めて就職活動をされる方などにつきましては、就職活動のノウハウ提供や面接の受け方などのアドバイスを行っており、今後とも母子家庭のニーズにこたえるきめ細やかな対応を行ってまいりたいと考えております。
 また、市町村では母子家庭を初め、障害者、中高年齢者など就職が困難な方々を対象として、求職や雇用に関する相談に応じたり、スキルアップを図ることなどにより、雇用就労の実現を支援する地域就労支援事業を実施しております。府としては、ハローワークや市町村等とのさまざまな就業支援機関と連携を密にしながら、就業促進に取り組んでまいりたいと考えております。あわせて母子家庭の雇用を促進するためには、お示しのとおり事業主の理解と協力が不可欠であると認識しております。
 今後とも、商工労働部初め庁内の関係部局との連携のもと、さまざまな機会をとらえて経済団体や事業主への働きかけを行ってまいりたいと考えております。

◆(三浦寿子君) 民間企業にはさらなる母子家庭の母の就業の支援に関する特別措置法の趣旨にかんがみて、試用雇用、トライアル雇用や、また特定求職者雇用開発助成金、常用雇用転換奨励金等の施策を活用することなどにより母子家庭の母の雇い入れを行うことが求められているのでありますが、そういった点でどんどんまたそういう事業主に積極的な働きかけをしていただきたいと思います。
 さらには、本当に今この状況の中で、母親というのは継続的な就労をする不安感とか疲労感、またなかなか就労したくてもできない、子どもを抱えている中での就労というのは厳しい状況にあります。そういう母親の心理的なサポート体制の整備等も本当に必要ではないかと思います。そういう母子家庭の自立支援のために、本当にさまざまな問題を抱えている母親のためにも、そういった個別の支援が求められているのではないかと思います。
 そういう意味でも、府は策定した母子家庭等自立促進計画に基づく事業の着実な推進ということに努めていただきたいとともに、市町村が実施主体となっている今回の事業でございますが、これについては先ほど報告ありましたように、まだまだ厳しい状況です。これの実施、推進にしっかり働きかけを引き続きお願いしたいと思います。
 児童扶養手当の減額が実施されるというのが平成二十年四月までで、もう余り時間がございません。この二十年四月までの時限立法となっております。一人で生計と子育てを担い、家庭を守って頑張っていらっしゃる母親が、この見直しによって厳しい状況に置かれたり、自立の意欲がそがれたりということがあってはいけません。そのためにも市町村との一層の連携を図っていただき、そういう相談にきめ細かく対応していただくとともに、就業支援を初めとしたさまざまな支援策の推進にさらに努めていただきたいと思います。
 以上でございます。
 続きまして、食の安全という観点から食中毒防止対策についてお伺いしたいと思います。
 今、冬場ですので食中毒対策というと余りぴんとこない感じがするんですけれども、これも大きな問題でございます。皆様の御記憶にもあると思うんですけれども、今から去ること八年前の平成八年の夏に堺市内の小学校で、当時はまだ耳新しいO−157による集団の食中毒が発生しまして、多くの子どもたちなど被害者を出したことは、いまだに忘れられない事実でございます。
 これを契機に、食品を取り扱う関係者は衛生管理等を一から見直し、徹底した食品衛生の管理体制をしいたかのように見えましたが、平成十二年には雪印乳業という本当に大きな製造メーカーが低脂肪乳による黄色ブドウ球菌を原因とする大規模な食中毒事件が発生しました。
 この事件では、製造メーカー側からの被害発生状況の情報の提供がおくれ、健康被害が拡大するという最悪の事態を招いたもので、このときから特に企業としての倫理ということが厳しく問われ始めました。これを契機に、世間では食品製造メーカーなどの異物混入情報の嵐が連日吹き荒れたわけです。新聞紙上では、連日おわびと自主回収の広告で埋まったと言っても過言ではなかったかと思います。私自身もよく新聞で見てたんですけれども、いつも社会面の下にどこかのメーカーがこの商品を自主回収するおわびが連日載ってた記憶があります。
 特に、食肉加工食品偽装事件とか無認可の添加物の使用問題、さらには原産地などの偽装表示、輸入冷凍食品の果実などの残留農薬の問題、おまけに鳥インフルエンザの問題など、次々に食の安全安心を揺るがすような事件が発生してまいりました。最近でもいわゆる殺菌がしてなかったレトルト食品が出回ったりと、いろいろ後を絶たない現状でございます。
 そういった中で、消費者は何を信用し、また何を頼りにし、どう食生活を送ったらいいかという不安でいっぱいの状況であるのが正直ではないかと思います。
 このような中で、府においても食の安全安心を確保するために、健康福祉部、さらには環境農林水産部も含めてさまざまな取り組みを行っていると聞いております。まずは、特に健康被害となる食中毒の対策についてお伺いしたいと思います。食中毒事件の発生については腸炎ビブリオやノロウイルスなどの微生物によるものが大半を占めると聞いておりますが、これらの昨年からの発生状況について説明をしていただきたいと思います。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 昨年、府内での食中毒は三十二件発生しておりまして、患者数は六百七十四名でございます。死者は出ておりません。原因物質としましては、サルモネラやカンピロバクターなど細菌性のものが二十六件、ノロウイルスなどウイルス性のものが五件、植物性のものが一件でございます。原因施設が特定されたものとしましては十八件ございまして、レストランなどの一般飲食店と仕出し店がおのおの七件ずつ、事業所−−老人ホームでございますけれども、これが一件、それに家庭での発生も三件ございました。特徴といたしましては、サルモネラやカンピロバクター、ノロウイルスなど少量の菌数で食中毒を発生させる事件がふえていることでございます。
 なお、本年につきましては、十月末日現在三十六件、三百三名の発生を見ております。患者数につきましては、昨年より減少しておりますけれども、発生件数は既に上回っております。本年もカンピロバクターやノロウイルスによる食中毒が多く発生しておりまして、飲食店などの営業者に対しまして、重点的に衛生管理を指導しているところでございます。また、家庭での食中毒を防止するためにも、大阪府のホームページや講習会などを通じて府民に情報提供を行い、注意を呼びかけております。

◆(三浦寿子君) こういった中でも発生状況が昨年よりふえてるというのは、本当にまだまだ食中毒というのは減少させていくというのが難しいということをちょっと感じました。昨年の夏、豊中市内の施設で調製配達された給食弁当で他府県にも患者が及ぶ大きな食中毒事件が発生しました。これは当時、新聞やテレビでも大きく報道されましたが、このような大規模製造施設では、当然のことながら一たん食中毒が発生すれば、広域的かつ大勢の人たちが健康被害を受けることになります。これは総菜を製造している会社だとか、生菓子類を製造している会社だとか同様で、広域流通し、かつ余り日もちのしない食品を製造している施設では、常に大きなリスクを抱えて営業していることになると思います。
 府では、このような施設の立入調査や検査はどのような体制で実施されているのでしょうか。また、平成十五年度には食品衛生法が改正されまして、本府においても監視や検査の年間計画を策定し、公表することになっていると伺っておりますが、この状況についても説明をいただきたいと思います。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 大阪府におきましては、食中毒など食品事故の発生を防止したり違反食品等を排除するために、平成十五年度は保健所、中央卸売市場食品衛生検査所、食肉衛生検査所並びに食の安全推進課に計百八名の食品衛生監視員を配置いたしまして、府内の約十万七千施設に対し延べ十三万四千回の立入調査を実施したところでございます。また、府内に流通する食品など都合約一万六千件について検査を実施しております。
 監視に際しましては、危害度の高い大規模な弁当工場など大量かつ広域に流通する食品製造施設に対しまして重点的に監視するとともに、HACCPというすぐれた衛生管理手法である概念を取り入れた自主管理を導入するよう積極的に指導しております。
 お示しの年間計画につきましては、学識経験者を初め消費者の方々からいただきました御意見をもとにいたしまして策定し、公表したところでございます。

◆(三浦寿子君) 府内には約十一万件もの食品関係施設があるということですが、果たして現在の保健所等の体制の中でこういった施設のすべての監視指導というのが十分できているのでしょうか。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 大阪府におきましては、まず業種やその施設ごとに取り扱う食品の流通の広域性や危害発生の可能性等を勘案いたしまして、食中毒を起こしやすい施設や危害が大規模になるおそれの高い施設等を選び出し、次にそれらの施設を中心に、現在の体制をフルに活用して効率的、効果的に監視することで食の安全確保に努めているところでございます。
 また、年間を通じて営業者等に対する衛生講習会を実施いたしまして、衛生知識の向上を図っているところでございます。平成十五年度につきましては三百七十九回開催いたしまして、受講者は約一万三千名でございました。特に、食中毒の多発時期を迎える六月、七月に集中的に実施いたしております。

◆(三浦寿子君) 食品等の残留農薬や食品添加物、細菌検査などの試験検査についても、平成十五年度で一万六千件もの検査を保健所や中央卸売市場食品衛生検査所で実施されているということです。残留農薬など検査には時間がかかると伺っております。すぐにはできない、何日間かかかるというふうに聞いてるんですけれども、万が一その不良食品が発見された場合、判明した時点で当該食品というのは既に市場に出てると思いますし、既に家庭では消費されているのではないかと思います。
 検査についてはできるだけ迅速にしてほしいところですが、この検査というのも大変信用を、大事なものですから、しっかりした検査手順を踏まなければ、正確な結果を出さなければいけないということもあるので、大変それも理解はできます。しかしながら、違反が判明した時点で一刻も早く回収措置などを講じるということが大事なのではないかと思いますし、府ではこのような事例が発生した場合にはどのような措置を講じられているのか、お伺いしたいと思います。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 違反が確定しました場合には、直ちに当該食品の製造者や販売者に回収を指示いたしまして、流通の各段階での回収状況を確認するなど、できる限り迅速に流通市場から取り除くことに全力を挙げております。そのためにも食品等の事業者に対しまして、原材料の仕入れ元や、製品の販売先等の情報を記録保存し、違反食品の追跡を容易にして危害拡大防止のため素早い情報提供に努めるよう、自主管理の徹底を指導しているところでございます。
 また、違反食品等の情報につきましては、大阪府のホームページ等を通じ速やかに公表しております。府民の方々に注意を呼びかけております。

◆(三浦寿子君) さきに触れましたけれども、平成十二年度に発生した低脂肪乳の食中毒事件がまさに引き金となって、保健所等にもさまざまな苦情や相談が多く寄せられているというふうに聞いております。
 特に、消費者というのは関心がすごく高くなっている。そういういろんな問題があったためかも知れませんけれども、今、口に入れるものということで、食への安全安心というのが本当に関心が高い状況です。ある意味もうデリケートになっているのかなという気がしますが、特に小さい子どもを抱える母親としては、本当に大きな問題ではないかと思います。
 どれだけの知識が消費者にあるのか、またどの程度まで表示とか病原菌とかのことを消費者自身も知っているのかということになると、さらに過剰になってる面もあるので、そういう点ではちょっと私も疑問を感じる点もあります。
 しかし、昨年の家庭からの食中毒の発生というのは三件と聞きましたけれども、それはたまたま保健所に苦情や通報があったものとは思うんですけれども、さらにはやっぱり一つの家庭ではいろんな食中毒以外でいろんな異物混入を発見したりというものは、実態としたら大きいものではないかと思います。行政側で探知できるものは、あくまで氷山の一角ではないかと感じております。
 そういう意味でも実際には多くそういう事件が発生しているのではないかと思うんですけれども、その意味で食中毒事故への防止や予防を目指すのであれば、消費者への予防啓発というのは必要不可欠と思いますが、そういう賢い消費者になってもらうことにより、家庭内での食事においても、家庭外においても、食中毒を未然に防げるのではないかと思いますし、未然に防げる可能性も格段に高まるものと感じております。そういう意味からも、府は消費者への情報提供や啓発などをどのようにされているのでしょうか。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 御指摘のとおり、数多くの苦情や相談が保健所等に寄せられておりまして、大阪府といたしましても、日ごろからの府民の皆様方への情報提供が重要であると認識しているところでございます。
 このため、あらゆる機会をとらえまして、例えば保健所等で実施する各種事業の開催時に食中毒予防のパンフレットを配布させていただいたり、啓発ビデオを放映するなど実施いたしております。また、市民祭りなどのイベント開催時には、啓発パネルを掲示したり、実際の食中毒細菌を顕微鏡で見てもらったりするアトラクションなどで消費者への啓発活動に力を入れております。さらに、啓発ビデオなどの内容につきましても、高齢者の方やお子さん方にもわかりやすく、親しみやすいものをと努力しているところございます。

◆(三浦寿子君) そういう意味でもしっかり啓発に取り組んでいただきたいと思いますし、食中毒というのも、またそういう違反の食品関連について今回は質問さしていただきましたけれども、食品等事業者への監視、指導、検査や消費者への啓発というのは、本当にたくさんの業務を保健所等が行っておりまして、限られた人数で大変だと思います。そういう意味でも食の安全安心というのは、府民の健康保持増進にとって大変重要な課題であることから、さらにこういう安全確保に万全を期すようにお願いしたいと思います。
 それで、先ほど回答の中にありましたHACCPというすぐれた衛生管理手法である概念を取り入れた自主管理を導入するよう積極的に指導しているという答えがありました。私もHACCPというのは、これは国が承認しているいわゆる総合衛生管理製造過程における食の安全管理システムということで伺っております。これの承認を得ようと思えば、本当に高額な金額がかかるというふうな、経費がかかると聞いておりますが、危険度の高い大手製造メーカーなどが対象としてできるだけ承認をとっていっていただければ、行政としてもちょっとは楽になるのではないかというふうに思うんです。
 これはちょっと質問ですけれども、現在その対象の監視されている大手メーカーの中で、このいわゆるHACCP承認をとっていらっしゃる企業というのは幾つぐらいでありますか。

◎食の安全推進課長(淡野輝雄君) 先生御指摘のとおり、HACCP認証の対象というのが限られた施設でございまして、具体的には乳、乳製品もしくは食肉製品製造業、それから清涼飲料水製造業等々でございまして、現在乳処理業につきましては七施設ほどと理解しております。ただ、全体ということになりますと、今近畿厚生局の方へ申請しているものもございますので、ちょっと具体的にはお許しください。

◆(三浦寿子君) ありがとうございました。このHACCPなんですけども、アメリカの食肉業界では、一九九九年に従業員十人以上の企業ではこのHACCPの採用を義務づけしてるというふうにも伺っております。こういった意味でもぜひ、小さいところはなかなか大変な実態もあると思うんですが、そういうHACCP方式を取り入れたきめ細かい指導を実施されてるということで伺っておりますが、そういった府の取り組みを進めていただきながら、もしできましたらこのHACCPの承認推進の目標値みたいなのを設けていただいて、大手企業に対してはどんどん推進をしていただいて、そういう意味での行政の企業に対するお願いとか、そういう意味では行政もちょっとは気が楽になるのではないかと思いますので、今後ともそういう意味で強力に推進していただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
 以上で私の質問は終わらせていただきます。